LOSMANDY(ロスマンディ) 赤道儀・架台 G11S赤道儀 (2軸モータードライブ・三脚付)
シンプルで頑丈な赤道儀をお探しであれば、答えはここにあります。
ロスマンディはアメリカの「ハリウッド・ゼネラル・マシニング社」の赤道儀ブランドです。 なかでもG11Sは同社のベストセラーで世界中の天文ファンに愛されています。CNC旋盤で切削加工し黒アルマイト仕上げされる美しい赤道儀が持つ耐荷重27kgの能力と高い追尾精度がその理由です。社名にハリウッドと付くのは、彼らのスタートが映画撮影機材の製造であるためで、G11S赤道儀はハリウッド(カリフォルニア州バーバンク)で製造される Made in Hollywood, USAの機材です。
主な特長
■質実剛健な二軸ステッピングモータードライブ付赤道儀
シンプルな2軸モータードライブを装備するロスマンディG11Sは、いわばローテクの塊です。搭載能力・追尾精度・設置安定性といった基本性能を徹底的に追求しました。ハイテクを装備した豪奢な赤道儀は世に数多ありますが、アライメントデータをロストしてしまうと満足な操作ができなかったり、なかには目盛環の装備が省略されていて手動導入ができない製品があるなど、便利さを求めた仕様がかえって不便を招くこともあるようです。それに対してG11Sは虚飾を排した“質実剛健”な赤道儀だと言えます。自動導入装置付きではありませんが、バーニアで赤経1分・赤緯0.1度まで読み取れる立派な目盛環を装備していますので後述する特徴的なクランプとの組み合わせで実に快適なマニュアル操作が可能です。
※G11赤道儀シリーズには自動導入コントローラGEMINIを搭載したDCモーターバージョン「G11G」も別途存在しています。
■低消費電力
二軸ステッピングモータードライブを装備するG11Sが必要とする電力は、12V0.5Aです。他社の最新機種の中には5Aを超える大電流を必要とする赤道儀も存在しますが、G11Sはその10分の1程度の電力で駆動できます。遠征時に大量の電源確保に悩む必要がなく、余分な荷物を減らすことができることもG11Sが持つ美点の一つです。■フリーストップ動作可能
G11S赤道儀は特徴的なクランプを装備しています。一般的な赤道儀のクランプは完全フリーか完全ロックかの二者択一で使用されますが、G11Sのクランプは両軸ともバリアブル・スリップ・クラッチ式を採用しており、フリーとロックの中間があります。クランプをしっかりと締めこめば通常のクランプロックとして機能するのはもちろんですが、クランプを軽く締めこめば適度なフリクションが得られて軽快なフリーストップ動作が可能です。レーザー彫刻された視認性の良い目盛環を装備しており、手動導入のスキルを持つベテランユーザーにとって、望遠鏡を意のままに操れるG11Sの操作感は快感そのものです。
フリーストップ動作で狙った対象を導入した瞬間に追尾は既に行われています。この快適なG11S赤道儀の操作感については、目盛環に慣れ親しんだベテランユーザーのみならず、最新の撮影機材を活用する一般の天体写真ファンの間にもその魅力が知れ渡りつつあります。 フリーストップと高剛性を併せ持つG11S赤道儀であれば、体の一部のような感覚で鏡筒を操り、構図を決定し、テキパキと撮影を進めることができます。
電子機器の発展は目覚ましく、最近では例えば電子ファインダとして同架した高感度カメラの映像やPHD Guidingなどのオートガイダーキャプチャ画面をモニターする、あるいはデジタル一眼カメラなど撮像カメラでの試写や動画を転送してモニターに映し出す、等の手段で画角内の様子をリアルタイムに確認することが出来ます。モニタに映し出される情報を頼りにマニュアル操作で進める構図決定作業には、天体を探索するワクワク感や、観望的なリアル感が秘められています。
結果をその場で楽しみながら撮影を進めるといった芸当は銀塩時代には想像もできなかったことですが、今や誰もが充分チャレンジできる時代となりました。このような時代にこそ、優れたフリーストップの操作感を持つG11S赤道儀はその魅力を放ちます。G11S赤道儀は天体写真撮影のプロセスに星空探索や観望の楽しみの華を添え、遠征の時間をよりエキサイティングなものにしてくれることでしょう。
■耐荷重27kgの使い道
G11S赤道儀は27kgの耐荷重を誇ります。 初めての赤道儀をお探しの方にとっては、大半のケースにおいてオーバースペックでしょう。タカハシFSQ・コーワテレフォト・ビクセンED・ボーグFLなどの小口径屈折鏡筒や、タカハシイプシロン・笠井GINJIなどの明るい反射鏡筒を用いて散光星雲を中心とする天体写真に取り組もうと考えた場合、まず真っ先に思い浮かぶのはビクセンSXP赤道儀やタカハシEM-200赤道儀です。
G11S赤道儀が必要となるのは、タカハシTOA・笠井NERIUSなどの大口径屈折および、セレストロンRASA・タカハシミューロンCRS・タカハシイプシロンなどの大口径反射を用いた直焦点撮影、スカイウオッチャーBKP・笠井GINJI・セレストロンシュミカセなどの大口径反射を用いた惑星撮影、あるいはそれら重量級機材を用いた眼視観望、といったシーンでしょう。昨今、安価で良好な品質の海外製大口径ニュートン反射が入手できるようになりましたがそれらは往々にして重く、耐荷重の大きな赤道儀を必要とします。
そのような用途を満たす製品にはすでにタカハシEM-400赤道儀やビクセンAXD赤道儀が存在しますが、G11S赤道儀ならそれらの半分以下のコストで入手可能です。しかもG11S赤道儀なら単なる安かろうではなく、高い精度と信頼性を持った、実績ある製品なのです。
「装備が増えてきたので耐荷重の大きな赤道儀にしたい」、「撮影するのは一晩せいぜい2,3対象だから自動導入は必要ない」、「散光星雲は一通り撮ったので長焦点に挑戦したい」、「今後は惑星を撮りたい」といった撮影派の方や、「自動導入は不要だが追尾は欲しいのでドブソニアンでは満足できない」、「惑星状星雲を眼視したいから口径30cmは必要だ」といった観望派の方におすすめできます。
■各部の特徴
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極軸高度調整はユニークなタンジェントアーム式でしっかりと固定可能。緯度6~68度まで調整可能。大型ノブを使用して極軸調整が容易。 |
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内部構造ご紹介のため上記部分のカバーを外した様子です。 | ||
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方位調整もタンジェントスクリュー式のため片方のノブで操作可能。±8.5度の調整が可能。 | ||
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目盛環は127mm径で、レーザー彫刻。赤経目盛は4分刻み、バーニアで1分まで読み取り可能。赤緯目盛は1度刻みで、バーニアで0.1度まで読み取れます。赤経目盛環は北半球と南半球に対応。 赤経・赤緯ともモーター駆動時には目盛環は指標と共に回り、目盛の位置がずれません。 |
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望遠鏡搭載部のアリミゾは「ロスマンディタイプ」(3インチ)と「ビクセンタイプ」(45mm)の両方に対応しており、いずれのアリミゾタイプの鏡筒へ乗せ換えを行っても変換アダプタ類が不要です。 | ![]() |
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ウォームギアは143mm径、A7075超々ジュラルミン製、歯数360枚。 |
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取り外し可能なバランスウエイトシャフト。32mm径。セーフティストッパー付き。 |
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デジタルドライブシステムの操作パネルです。
三脚に装着する場所が用意されています。 追尾モードは、恒星時・キングスレート(改良恒星時)・月モード・太陽モードの4モードです。 コントロール速度は0.3倍、0.5倍、2倍、4倍、8倍、16倍速の6通りから選べます。 赤緯バックラッシュを低減するTVC機能と、追尾誤差を改善するPEC機能も搭載しています。 HC/CCDポートはRJ12規格で、付属のハンドコントローラが接続できます。ハンドコントローラの代わりにオートガイダー(ST4互換)を接続することもできます。 ※キングスレートとは、恒星時を大気差の影響を加味して若干遅めに微調整したものでディープスカイの撮影時におすすめです。 |
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シンプルなダイアモンドパターンのハンドコントローラです。 操作パネルにアクセスしなくても最大速度に増速できるFastSet機能があります。 例えば、4倍速で西に動かしているときにもっと速く動かしたいと思った場合は、 ・西方向にボタンを押し続けながら反対の東方向のボタンもあわせて押してください。西と東の両方を押している間は、16倍速に加速して西へ動きます。 ・東のボタンから指を放して西のボタンだけを押している状態にすると4倍速に戻って引き続き西に動きます。 赤経赤緯、東西南北どの方向にも同様の操作で16倍速駆動します。 下面にはRAとDECの反転スイッチがそれぞれ用意されており、鏡筒の子午線入替え時に便利にお使いいただけます。 |
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折りたたみ式三脚 |
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材質 | アルミ(ジュラルミン)削り出し、黒アルマイト仕上げ | ベアリング |
・ニードルスラストベアリング 2個
(約95mm、約51mm) ・ニードルベアリング 2個 (約38mm) |
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ウォームホイール | A7075超々ジュラルミン製、歯数360枚、φ143mm | ウォームネジ | 真鍮製、ボールベアリング内臓デュアルサポート式 |
極軸設定方位微動 | タンジェント アーム方式 両方向 ±8.5° |
極軸設定高度微動 | タンジェント アーム方式 高度調整範囲 6~68°、高度目盛 2°単位 |
極軸望遠鏡 | オプション | 最大搭載重量 | 約27kg |
赤道儀本体重量 | 約15kg | 三脚重量 | 約16kg |
○付属品:カウンターウェイト9.5kgx1個または2個、ハンドコントローラ、シガーソケット電源ケーブル | |||
DUAL-AXIS DIGITAL ELECTRONICS (S) | |||
駆動モード | 恒星時モード、太陽モード、月モード、キングスレート | ||
機能 | 駆動スピード: 0.3x、0.5x、2x、4x、8x、16x /北半球・南半球対応/ピリオディックエラー補正回路/赤緯バックラッシュ補正回路/ST4互換オートガイド端子付(ハンドコントローラとオートガイダーは排他使用) | ||
電圧/電流 | DC12V/最大500mA |