第3章:PROMINARシリーズではじめるバードウォッチング

第3章:PROMINARシリーズではじめるバードウォッチング 第3章
PROMINARシリーズではじめる
バードウォッチング

第二章では、バードウォッチングのマストアイテム「双眼鏡」についてご紹介しましたが、今回はさらにもう一歩進んで、より高倍率で鳥の表情まで観察できるスゴ技アイテム「スコープ」についてご紹介します。

「スコープ」は、「スポッティングスコープ」や「望遠鏡」とも呼ばれ、探鳥会に参加するとリーダーの方が三脚に取り付けて担いでいて、鳥を視界に入れて見せてくれる道具という印象が強いでしょうか。

「双眼鏡」はどちらかと言えば「鳥を探す」役割が強いですが、「スコープ」は見つけた鳥をじっくり観察するためのアイテムになります。

スコープを使うとどんな良いことがあるのか、スコープの魅力についてご案内して行きます。



■望遠鏡を使って楽しく鳥を識別しよう!鳥の表情を観察しよう!

双眼鏡で野鳥観察をしていると、ほどなくぶつかるのが、「思ったより野鳥に近寄れない」現実です。

もちろん双眼鏡でも識別できる分かりやすい種類もありますが、実際にフィールドに出ると、想像以上に野鳥に近寄れず、どうやって野鳥を識別したら良いか分からないことが多いと思います。

例えば、高い木の梢でさえずる逆光のオオルリや丘陵の尾根に止まっている猛禽類、沖合の堤防の上で休息するシギ・チドリ類など、双眼鏡ではお手上げになってしまうシチュエーションも多くあります。

そんなときは「望遠鏡」の出番です。双眼鏡は、8〜10倍程度の倍率ですが、望遠鏡だと20〜60倍と倍以上もの大きさで鳥を見ることができ、双眼鏡とは見える世界がまるで違います。



■どのくらい大きく見えるの?

よく野鳥写真を撮る方から「双眼鏡や望遠鏡だと望遠レンズの焦点距離で例えるなら何倍くらいなの?」という質問を受けます。

1倍がカメラの焦点距離で50mmと言われているので、10倍の双眼鏡だとカメラの焦点距離で500mmくらい。30倍の望遠鏡だと1500mmくらい。60倍までズームすると3000mmというカメラのレンズとは比べ物にならないくらい超望遠の世界が目の前に広がります。


・換算600mm相当の焦点距離の望遠レンズで撮影


・35倍の望遠鏡(TSN-66S PROMINAR+TE-80XW)にミラーレスカメラを付けて撮影(換算1,750mm相当)

双眼鏡では分からなかった鳥の表情やしぐさが手に取るような距離感で目の前に現れ、鳥の羽毛の毛の一本一本まで見えることもあります。

双眼鏡やカメラのファインダー越しでは味わえなかった異次元のバードワールドが広がりますよ。



■鳥の識別がしやすくなる

初心者に限らず、鳥の識別が苦手で周りの人にすぐに聞いてしまったり、双眼鏡を覗いても何の鳥か分からないままいつもモヤモヤしている識別嫌いさんこそ、スコープを使ってほしいんです。

図鑑に載っているイラストや写真に近い感覚で鳥を観察できるので、鳥を見分けるのが容易で楽しくなります。


・ヨーロッパトウネン幼鳥(左)とトウネン幼鳥(右)の比較。

ヨーロッパトウネンの方が嘴が下にカールしていて、体形が丸っこい。写真では見えづらいがヨーロッパトウネンを背中側からみると、背中にV字型の白線が入るのも特徴。ベテランでも識別の難しい鳥の識別もスコープで大きく見るからこそ識別できるようになる。



イチオシはフローライトクリスタル搭載のPROMINARシリーズ

スコープを選ぶなら、KOWA製のフラッグシップスコープ「PROMINARシリーズ」がイチオシです。 日本の職人技を体現し、卓越した光学性能を誇るMADE IN JAPANのフラグシップモデルです。 一番のポイントは、蛍石でお馴染みのフローライトクリスタルレンズを採用していること。 PROMINARが使用するフローライトクリスタルは、色収差の徹底除去に大きな効果を発揮するレンズ素材です。

従来の光学ガラスに比べ遥かに扱いにくく、高度な加工技術を要求されますが、独自の精密加工技術を用いて、本物の“Pure”な映像をユーザーに届けます。

デュアルフォーカス システム 微動ノブと粗動ノブの2つのフォーカスノブで素早く、精細にフォーカシングできます。



■あなたに最適なPROMINARはどれ?

PROMINAR集結。手前から順に、TSN-55S、66S、88S、99S。いずれも直視型。

・さまざまなフィールドに持って行きたい方、重いのが嫌という方は、TSN-55シリーズで決まり! TSN-55シリーズは、驚くほど「軽量コンパクト」ながら、視野の広さが大口径機にも迫るワイド設計で重さを気にせず持ち運べます。 据える三脚も軽量コンパクトなモデルで済むので、トータルで軽量化を図れます。 17~40倍のズーム搭載で、ワイド側で鳥を探して、視野に捉えたら40倍までズームしてじっくり観察を楽しむことができます。
>>TSN-55S(直視型)TSN-55A(傾斜型) 

・「しっかり明るく見たいけど携行性も手放せない!」なら重量と明るさのバランスに優れたスタンダードモデル、TSN-66/88シリーズがおすすめ。 「明るさ」と「軽量コンパクトさ」を天秤にかけて、「軽さ重視」なら、携帯性に優れたTSN-66シリーズをチョイス。 日の出前や夕暮れの薄暮時にもしっかり観察したければ、口径88mmで「明るさ重視」のTSN-88シリーズを選びたい。 接眼レンズは、倍率25~60倍のワイドズームアイピース「TE-11WZⅡ」と倍率35倍のエクストリームワイドアイピース「TE-80XW」から選択できます。
>>TSN-66S(直視型)TSN-66A(傾斜型)TSN-88S(直視型)TSN-88A(傾斜型)
>>TE-11WZⅡ(25‑60倍ワイドズームアイピース)TE-80XW(35倍エクストリームワイドアイピース)

・最高の見え味が必要なら大口径99mmのTSN-99シリーズがおすすめ。 30~70倍(TE-11WZⅡ使用時)と他機種よりも高倍率ながら、大口径99mmの豊富な光量で「明るさ」も確保。それでいて、持ち運べるサイズに収めたTSN-99シリーズです。 陸から海上の海鳥を観察したり、猛禽類の調査・観察などの極限の性能を必要とするシチュエーションでは迷わずこのモデルを選びたい。
>>TSN-99S(直視型)TSN-99A(傾斜型)
>>TE-11WZⅡ(30‑70倍ワイドズームアイピース)TE-80XW(40倍エクストリームワイドアイピース) 



■直視型(ストレート)と傾斜型(アングル)どっちが良いの?

上側がTSN-55A傾斜型(アングルタイプ)、下側がTSN-55S直視型(ストレートタイプ)
スコープには、接眼レンズの取り付け位置が異なる、直視型(ストレートタイプ)と傾斜型(アングルタイプ)の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

・直視型(ストレートタイプ)のメリット・デメリット 直視型(ストレートタイプ)は、接眼レンズの覗く位置の直線上に対象物がくるため、目視で定めた方向に合わせることで対象物を視野内に捕捉しやすいメリットがあります。 一方で、高さを自分の目の位置に合わせるようとすると、背の高い方だと高さのある三脚を用意する必要があります。 また、頭上の木の梢にいる鳥を見ようとすると、屈みながら無理な姿勢で覗くことになります。

・傾斜型(アングルタイプ)のメリット・デメリット 傾斜型(アングルタイプ)のスコープでは、接眼レンズを覗く時に、楽な姿勢で覗くことができ、頭上の木の梢を覗いたり、長時間の観察でも快適です。携帯チェアに座ってじっくり観察したり、観察しながらスケッチをするなら、傾斜型が適しています。 三脚を目線まで高くする必要がないので、より低く安定した状態で観察ができます。 デメリットは、覗く方向が対象物に対して斜め下向きになるため、慣れるまでは対象物を視野に捕捉するのが難しく感じるかもしれません。 探鳥会のような身長の違う複数人が交代で観察する場面では、低い身長の方に高さを合わせておけば、三脚を調整することなく、無理のない姿勢で皆が覗くことができます。



■スマートフォン用フォトアダプターで撮影に挑戦!

じっくり観察を楽しんだら、記憶だけでなく記録にも残しておきたいもの。 スマートフォン用フォトアダプター「TSN-UN1」とアダプターリング「TSN-AR1」を使って、接眼レンズの映像をスマートフォンに記録してみましょう。 自分の持っているスマートフォンで、羽毛の毛の一本一本まで解像した写真が撮れたり、野鳥の面白いしぐさを動画に撮ったり、手軽に高画質な野鳥の写真や映像を記録できます。

TSN-55SにiPhone12proを取り付けて撮影 ケラレ(画面周囲の暗い部分)が気になる場合は、スマートフォン側のカメラをズームします。

チュウシャクシギ TSN-66S+TE-80XWにiPhone12proを取り付けて撮影 TE-80XW(エクストリームワイドアイピース)を使用すると、スマートフォン側のカメラをズームすることなく、ケラレ(画面周囲の暗い部分)なしで撮影することができます。
>>TSN-UN1
>>TSN-AR1



■一眼カメラを取り付けて撮影に挑戦

TSN-66S+TE-80XW+TSN-DA10+TSN-AR42GT+TSN-CM2 SEにSONY α1を取り付けてアオバトを撮影。 ピントはスコープ側で手動で合わせる必要がありますが、一眼カメラを取り付けて撮影することもできます。

TSN-66S+TE-80XW+TSN-DA10+TSN-AR42GT+TSN-CM2 SEにSONY α1を取り付けた図
>>TSN-DA10
>>TSN-AR42GT
>>TSN-CM2 SE



■まとめ

バードウォッチングに双眼鏡が必要なのはよく知られていますが、スコープがあれば、まるで目の前に野鳥がいるかのように、しぐさや表情を楽しむことができます。 口径(50~100mm)、倍率(25倍~70倍)、特殊レンズ(XDレンズ)を搭載した機種を選ぶと良いでしょう。PROMINARシリーズは、優れた光学性能を誇り、用途に応じてさまざまなモデルを取り揃えています。場所や用途に応じて、さらに、エクステンダーやスマートフォン用フォトアダプターを組み合わせることで快適な野鳥観察を楽しむことができます。



レビュー著者:岩本 多生氏
商品提供:興和オプトロニクス株式会社


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