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天体望遠鏡や本格双眼鏡、 天体観測・バードウオッチング機材の製造・販売。協栄産業株式会社。昭和34年創業。

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ビクセン ED103S(SD103S) のインプレッション

ビクセン ED103S(SD103S) のインプレッション

ビクセン SD103S

ビクセンSD103SSDレデューサーHDキットの結像性能を調べるため、 「デジタル対応SD改造サービス」を行ったビクセンED103Sをフィールドに持ち出し、 実際に天体撮影を行ってみました。

なお、SD103Sは、前モデルであるED103Sのドローチューブ内の絞りの位置を変更したマイナーチェンジモデルです。 よって、「デジタル対応SD改造サービス(絞りを改造するサービス)」を実施したED103Sの撮影結果は、 SD103Sを使って撮影した場合と同じとお考えいただければと思います。


ビクセンED103について

ビクセンED103S鏡筒は、口径103mm、焦点距離795mm(F7.7)の2枚玉アポクロマート屈折望遠鏡です。 本体重量は3.6キロと比較的軽く、 鏡筒バンドにはキャリーハンドルも付けられているため、持ち運びのしやすい鏡筒です。

天体観測の入門者用として人気の高いSD81Sに比べると、ED103Sの口径は約2センチ大きいだけですが、 鏡筒の外観は二回りほども大きくなっており、口径差以上の大きさの差を感じます。 下写真は、ED103SとSD81Sを並べて置いたところです(ED103Sの鏡筒バンド類は取り外しています)。

ビクセン SD103S

口径2センチの差は、星雲星団の観望ではそれほど感じませんが、惑星を高倍率で観望すると、 集光力と分解能の差を感じます。 SD81Sではわかりにくかった木星の縞模様の様子など、ED103Sでは明るくよく見えます。

ED103Sには、暗視野照明付きの光学ファインダーが付属します。SD81S付属のスポットファインダーに比べて、 光学ファインダーでは暗い星もよく見え、天体を導入しやすいと感じました。

天体撮影用のフラットナーレンズ(SDフラットナーHD)とレデューサーレンズ(レデューサーHD)は、SD81Sと同じ製品を使用できます。 フラットナーレンズとレデューサーレンズについては、別レビューもご覧ください。


SDフラットナーHDの天体撮影

まず、ED103SにSDフラットナーHDを取り付けて、天体撮影を行ってみました。 ED103SにSDフラットナーHDを取り付けると、焦点距離は811ミリになります 。F値は暗くなりますが、天体を大きく写したいときに重宝する補正レンズです。

撮影対象には、おおぐま座で輝く系外銀河、M101を選びました。 撮影に使用したカメラは、天文用冷却デジタル一眼レフカメラのAstro6Dです。 赤道儀は、ビクセンSXP赤道儀を用い、オートガイド撮影を行いました。

ビクセン SD103S

上は、上記機材で6枚撮影し、画像処理ソフトで仕上げた写真です。 35ミリフルサイズセンサーはセンサー面積が大きいため、フラットナーレンズを用いてもM101銀河はそれほど大きく写りませんが、 漆黒の宇宙に浮かぶ銀河のイメージが得られる写真だと思います。 画像中央付近を切り抜いた写真を以下に載せました。 撮影時のカメラの設定は、ISO1600、1枚当たりの露光時間は600秒です。

ビクセン SD103S

M101銀河を拡大した画像です。星像はシャープでコントラストも良好です。 シャープ処理は一切施していませんが、銀河の腕のディテールもよく表現されています。

ビクセン SD103S

こちらは、右下隅の一部を拡大した画像です。 35ミリフルサイズ最周辺部まで、ほぼ点像を保っており、色ずれもほとんど感じられません。


SDフラットナーHD使用時の周辺減光

次に、周辺減光について見ていきましょう。 下は、ED103SにSDフラットナーHDを取り付けて撮影した際のフラットフレーム画像(未処理)です。

SDフラットナーHDの周辺減光

35ミリフルサイズの画角ですが、未処理の画像からは減光は感じられません。 次に、フラットフレーム画像を、レベル補正コマンドを使って約5倍に圧縮強調しました。

SDフラットナーHDの周辺減光

ここまで強調すると、周辺部が中央部に比べて暗くなっている様子がわかります。 しかし、画面全体として減光はなだらかで、周辺減光の補正はしやすいでしょう。 センサーサイズが小さなAPS-Cサイズのデジカメなら、フラット補正無しで仕上げることもできそうです。


ビクセンED103SとSDレデューサーHDキットで天体撮影

次に、SDレデューサーレンズも取り付けて撮影しました。 レデューサーレンズも取り付けると、焦点距離は624ミリになります。 少し珍しい焦点距離ですが、散光星雲を大きく撮影するには適当な画角でしょう。

撮影対象には、夏の天の川銀河の中で輝く、いて座のM8とM20星雲を選びました。 微恒星も多く、光学系のシャープさが問われる星域です。 撮影に使用した機材は、フラットナーレンズのみを使用した時と同じです。

ビクセン SD103S

上は、上記機材で6枚撮影し、画像処理ソフトのステライメージ8で仕上げた写真です。 画角全体にわたって星はシャープで、コントラストも良好です。星像確認のため、 画像中央付近を切り抜いた写真を以下に掲せました。 なお、撮影時のカメラの設定は、ISO1600、1枚当たりの露光時間は480秒です。

ビクセン SD103S

拡大画像から、色収差の発生もほとんど感じられず、鋭い星像を結んでいることがわかります。

ビクセン SD103S

上は、画像の右下隅の一部を拡大した画像です。 35ミリフルサイズの最周辺部になると、収差で星の形が若干放射状に崩れているものの、ほぼ真円を保っていると言えます。色ずれの発生もほとんど感じられません。星像についてはフラットナーレンズのみを使用した時の方がよりシャープな印象を受けましたが、 レデューサーHDは、焦点距離を短くしながら、諸収差も良好に補正できているという印象を受けました。


レデューサーHD使用時の周辺減光

レデューサー使用時の周辺減光について確認しましょう。 下は、ED103Sとレデューサーを取り付けた際のフラットフレーム画像(未処理)です。

レデューサーHDの周辺減光

35ミリフルサイズの画角ですが、元画像では、写野端でも減光はほとんど感じられません。 画像処理ソフトのレベル補正コマンドを使って、約5倍のコントラスト強調を実施すると、四隅に近づくにつれ、光量の落ち込みが確認できますが、 勾配はそれほど急ではなく、なだらかに減光しているイメージです。

レデューサーHDの周辺減光

周辺減光は発生しているものの、 レデューサーレンズ使用時でも極端な減光ではなく、補正しやすい光学系であることが確認できました。


撮影後の印象

今回、ビクセンED103Sを使って天体撮影に使用した印象を、以下に箇条書きでまとめました。

ED103SとSDレデューサーHDキットのマッチングは良好で、35ミリフルサイズカメラのほぼ全面にシャープな像を結ぶ。 周辺減光も少なく、天体撮影に使いやすい組み合わせであることが確認できた。

SD81Sと比べると若干ましではあるが、ED103Sでも撮影時に輝星に回折光が写りこんでしまう。 星像が良いだけに残念なので、レンズに出っ張った錫箔を隠すなどの対策をメーカーにお願いしたい。

SDフラットナーHD使用時の焦点距離は811ミリと長く、解像力も高いので、 センサーサイズの小さな冷却CMOSカメラと組み合わせれば、 春の系外銀河の撮影も楽しめそうだと感じた。

SD81Sに比べて大きく重いので、ポルタII経緯台では少々苦しく、SXクラス以上の赤道儀に搭載したい。 自動導入機能の付いた赤道儀に載せれば、 小さな系外銀河でも簡単に導入でき、このクラスの望遠鏡には適した組み合わせだと感じた。


まとめ

今回のテストを通じて、ビクセンED103S(SD103S)は、口径10センチの天体望遠鏡ながら、持ち運びしやすく、 自宅での月や惑星の観望から、補正レンズを併用した天体撮影の分野まで、幅広く使用できる機材だと感じました。

天体撮影では、ビクセンのSDレデューサーHDキットとのマッチングが良好で、 35ミリフルサイズ全面にシャープな像を結ぶことが確認できました。 最近、注目されているセンサーサイズの小さい冷却CMOSカメラと組み合わせれば、 星雲星団だけではなく、春の銀河まで撮影を楽しむことができると思います。

口径10センチの屈折式天体望遠鏡は、性能と大きさのバランスが良く、屈折のスタンダードとも言える機材です。 SD81Sからのステップアップとしてはもちろん、最初からSD103Sを購入してじっくり天体観測を楽しむのもよいでしょう。 SD103Sは、入門者からベテランまで、それぞれの目的に合わせて使用できる天体望遠鏡だと感じました。

レビュー著者 吉田隆行氏のサイトはこちら→天体写真の世界

ビクセン SD81Sのインプレッション

ビクセン SD81Sのインプレッション

ビクセン SD81S

ビクセンSDシリーズは、同社の天体望遠鏡ラインナップの中で、屈折望遠鏡の中核を担う鏡筒です。 SDシリーズでは、口径の異なる3つの望遠鏡が用意されていますが、ビクセンSD81Sは、最も口径の小さな天体望遠鏡です。 今回は、このコンパクトなSD81Sをフィールドに持ち出し、使い勝手や写真性能をレビューしました。


ビクセン SD81Sについて

ビクセンSD81S鏡筒は、口径81mm、焦点距離625mm(F7.7)の2枚玉アポクロマート屈折望遠鏡です。 SD81Sの対物レンズには、EDガラスの中でも特に優れた光学性能を有する素材(FPL53)で作られたSDガラスレンズが用いられており、 コンパクトながら高性能を目指した望遠鏡です。

SD81Sの本体重量は2.3キロと軽く、鏡筒バンドにはキャリーハンドルも付けられているため、 持ち運びやすく、女性でも楽に取り扱うことが可能です。 鏡筒バンド下部には、スライドバーMがネジ止めされているので、 アリミゾ式の架台にワンタッチで取り付けることができます。

ビクセン SD81S

SD81Sのドロチューブ先端は、2インチ径のスリーブ形状で、フリップミラーが標準で付属しています。フリップミラーは、 低倍率と高倍率を即座に切り替えることができる天頂ミラーで、天体観望用に便利なパーツです。

天体の導入支援装置として、SD81Sには光学ファインダーの代わりに、スポットファインダーが付属しています。 電源を入れると、ガラスの円形窓に赤い光の点が出現します。 この光点と天体を重ねることによって、望遠鏡視野内に天体が導入される仕組みです。

SD81Sには、デジタルカメラで星雲や星団を撮影するユーザー向けに、 フラットナーレンズ(SDフラットナーHD)とレデューサーレンズ(レデューサーHD)がオプション設定されています。 どちらも、天体写真ファンからの評価の高い補正レンズです。 フラットナーレンズとレデューサーレンズについては、別レビューもご覧ください。


ビクセン SD81Sの光学性能

ビクセンSD81Sの光学性能を確かめるため、鏡筒を郊外に持ち出し、星空観望を実施しました。

まずはじめに、恒星像を眼視で確認しました。 わし座のアルタイルを高倍率で確認しましたが、色収差はほとんど感じられず、恒星像は十分にシャープでした。 焦点内外像もほぼ対称に近く、諸収差の補正も良好と感じました。

続いて、さそり座のM6、M7をはじめとした、明るく大きな散開星団を低倍率で観望しました。 屈折らしいコントラストの高さで、暗い夜空を背景にして、微恒星が集まった様子がよくわかり、 星の色合いの違いも確認できました。

星空観望後、南天で輝く木星や土星も観望しました。惑星の観望では、口径不足の感は否めないものの、 木星表面の目立つ縞模様はコントラストよく見え、土星の環もはっきりと見えました。

月面は迫力ある眺めを楽しめました。100倍程度の倍率で月面を観察すると、 クレーターや月面の皺模様の立体感が感じられました。 色収差の発生は目立たず、明るい月のリムを見ても、色のにじみはほとんど感じられませんでした。


ビクセン SD81Sを使って天体撮影

星空を観望した後、SD81Sに、SDレデューサーHDキットを取り付け、天体撮影を行いました。 SD81Sにレデューサーレンズを取り付けると、焦点距離は496ミリになります。 焦点距離500ミリ前後の画角は、はくちょう座の北アメリカ星雲をはじめ、散光星雲の撮影に使いやすい画角です。

今回、撮影対象には、北アメリカ星雲と同じく、はくちょう座で輝くγ星付近の散光星雲を選びました。 γ星付近の星雲は、微恒星が多く、色合いも豊かで華やかな星域です。

撮影に使用したカメラは、天文用冷却デジタル一眼レフカメラのAstro6Dです。 赤道儀は、KYOEIオリジナルのビクセンAP-WM追尾撮影スターターセットを用いました。 オートガイドは、LacertaM-GENを使用しています。

ビクセン SD81S

上は、上記機材で4枚撮影し、画像処理ソフトのステライメージ8で仕上げた写真です。 画角全体にわたって星はシャープで、コントラストもよい写りです。 星像確認のため、画像中央付近を切り抜いた写真を下記に掲載しました。 なお、撮影時のカメラの設定は、ISO3200、1枚当たりの露光時間は300秒です。

ビクセン SD81S

拡大画像から、色収差の発生も感じられず、鋭い星像であることがわかります。 なお、輝星の周りに回折像が写っていますが、これは、SD81Sの対物レンズの間隔調整用の錫箔が、 光路に少し飛び出しているためです。 回折像が気になる場合は、錫箔を隠す円形の絞りを作って、対物レンズセルの前に貼り付けるとよいでしょう。

ビクセン SD81S

上は、画像の右上隅の一部を拡大した画像です。 35ミリフルサイズの最周辺部になると、収差で星の形が若干菱形になっていますが、 その量はわずかです。色ずれの発生もほとんど感じられず、 焦点距離を短くしながら、諸収差も良好に補正しているという印象を受けました。


SDフラットナーHDで天体撮影

次に、SDフラットナーHDSD81Sに取り付けて、天体撮影を行いました。 SD81SSDフラットナーHDを取り付けると、焦点距離が644ミリになります。 レデューサーレンズに比べると、F値が暗くなりますが、天体を更に大きく写したいときに重宝する補正レンズです。

撮影対象には、秋の夜空で輝く、アンドロメダ大銀河を選びました。 撮影に使用した機材は、レデューサー使用時と同じです。

ビクセン SD81S

上は、上記機材で撮影して仕上げた写真です。 フラットナーを用いると、ちょうどよい大きさでアンドロメダ大銀河が画角に収まりました。 画像中央付近を切り抜いた写真を下記に掲載しました。 なお、撮影時のカメラの設定は、ISO3200、露光時間は480秒です。 4枚撮影して画像処理ソフトで仕上げています。

ビクセン SD81S

アンドロメダ大銀河の中心部を拡大した画像を上に掲載しました。 レデューサー使用時と同様、星像はシャープでコントラストも良好です。 シャープ処理は一切行っていませんが、銀河の暗黒帯のディテールもよく表現されており、解像力の高さを感じさせてくれます。

ビクセン SD81S

続いて掲載したのは、右上隅の一部を拡大した画像です。 星像は35ミリフルサイズ最周辺部まで、ほぼ点像を保っており、色ずれも感じられません。 レデューサーHD使用時と比べ、SDフラットナーHD使用時の方が星像が更にシャープな印象を受けました。


使用後の印象

今回、ビクセンSD81Sを天体観望と天体撮影に使用した印象を、以下に箇条書きでまとめました。

8センチクラスの天体望遠鏡ということで、天体撮影時の解像力にはそれほど期待していなかったが、 アンドロメダ大銀河の暗黒帯の描写など、クラスを超えた写りに驚いた。

天体撮影用として人気の高い4枚玉アポクロマート望遠鏡(タカハシFSQ-85ED等)に比べると、 SD81Sは、対物レンズが2枚玉ということもあり、 温度順応が早く、気温変化によるピント位置の変動も少なく感じた。

補正レンズ使用時の星像が良いだけに、輝星に回折光が写りこむのは残念だ。 ユーザー側でも対処可能だが、メーカーで対物レンズ前に飾り環を付けるなど、 何らかの対処をしてほしいと感じた。

SDフラットナーHD使用時は、周辺減光が非常に少なく、フラット補正が合いやすいと感じた。 ミラーボックスのケラレが発生しないミラーレス一眼や天体用CMOSカメラなら、 画像処理ソフトの周辺減光コマンドで補正できそうだ。

以前レビューしたビクセンED80sfと比べ、SD81Sの方が接眼部の構造が丈夫なため、 重いカメラを取り付けてもドロチューブがずれ落ちにくかった。 高性能なSDレデューサーHDキットを使用できる点から考えても、 今後、天体撮影の予定があるなら、SD81Sをお勧めしたい。

SD81Sは、8センチクラスの中でも軽くコンパクトな上、アリガタシステムでワンタッチで架台に取り付けられるので、 天体観測入門者にも適した天体望遠鏡と感じた。 ポルタII経緯台とセットになった「KYOEIオリジナルポルタII-SD81S・EDアイピースセット」は、 天体観望用として最適のセットだろう。


まとめ

今回のテストを通じて、ビクセンSD81Sは、コンパクトな天体望遠鏡ながら、諸収差を良好に補正し、 気軽な天体観望から本格的な天体撮影まで、幅広く使用できる機材という印象を受けました。

特に天体撮影の分野では、ビクセンのSDレデューサーHDキットとのマッチングが良好で、 35ミリフルサイズ全面にシャープな像を結び、ベテランでも満足できる組み合わせだと感じました。

ビクセンSD81Sは、天体観測に興味を持った入門者の方はもちろん、 これから天体撮影に本格的に挑戦してみようと思っている方にも適した鏡筒です。 フラットナーとレデューサーレンズを使えば、 二通りの焦点距離で撮影を楽しむことができるので、撮影の対象も広がるでしょう。

また、既にSD81Sを所有している方は、是非、SDレデューサーHDキットを追加して、 天体撮影を始めてみてはいかがでしょう。 SD81Sを天体観望用だけに使うのは、少々もったいない気がします。 SD81Sを使って、是非、天体写真の扉を開けてみることをおすすめします。


SD81S鏡筒ラインナップ

SD81S鏡筒

ポルタII
EDアイピースセット

SXD2赤道儀
直焦点撮影
スターターセット

AP-SD81S


レビュー著者 吉田隆行氏のサイトはこちら→天体写真の世界

ビクセン SDレデューサーキット のインプレッション

ビクセン SDレデューサーキット のインプレッション

ビクセン SDフラットナーHDとレデューサーHD

ビクセンSDフラットナーHDレデューサーHDは、2017年に発売開始された屈折望遠鏡用の補正レンズです。 同社のSDシリーズ屈折望遠鏡(SD81SSD103SSD115S)用として開発されましたが、 これらより古い旧製品に使用することも可能です。

SDフラットナーHDレデューサーHDは、天体撮影には欠かせないアイテムです。 今回はこの二つの補正レンズの役割や重要性を解説するとともに、実際にフィールドに持ち出し、 写真性能をレビューしました。


SDフラットナーHD と レデューサー HD

フラットナーレンズは、その名の通り、望遠鏡が作り出した像を平坦化する機能があります。 ビクセンSDシリーズ屈折望遠鏡の中心像は非常にシャープですが、 直焦点で星を撮影すると、結像面が湾曲しているため、デジタルカメラの写野周辺の星はボケたように写ってしまいます。 SDシリーズ望遠鏡にフラットナーレンズを追加することにより、 像が平坦になり、周辺でもシャープな像を結びます。

フラットナーレンズの効果

ビクセンSDシリーズのフラットナーレンズは、「SDフラットナー HDキット」というキットで販売されており、 レンズが入ったフラットナー本体と、延長筒(EXチューブ66)、SD81S用のスペーサーリングSD81で構成されています。 使用するときは、EXチューブにフラットナーレンズ本体をねじ込み、鏡筒内に挿入して使います。 フラットナーレンズを使用したときの合成F値は、F7.7からF7.9へ、直焦点と比べて僅かですが暗くなります。

レデューサーレンズは、焦点距離を短縮し、F値を明るく補正するための補正レンズです。 レデューサーレンズを使用すると、下表のように焦点距離が短くなり、F値は7.7から6.1へ、 絞り約2/3段分明るくなります。

鏡筒名 焦点距離/F値 SDフラットナーHD使用時 レデューサーHD使用時
SD81S 625mm / F7.7 644mm / F7.9 496mm / F6.1
SD103S 795mm / F7.7 811mm / F7.9 624mm / F6.1
SD115S 890mm / F7.7 908mm / F7.9 699mm / F6.1

レデューサーレンズを使用するときは、EXチューブ66を取り外し、フラットナーレンズの後ろ直接ねじ込みます。 従来のビクセン鏡筒用のレデューサーED(F7.7用)と異なり、レデューサーレンズ単体では使用できないので、注意が必要です。 購入する際は、SDフラットナーHDキットにレデューサーHDがセットされた「SDレデューサーHDキット」がお勧めです。

ビクセン SDフラットナーHDとレデューサーHD

フラットナーレンズ、レデューサーレンズともに、ASコーティングという反射防止コーティングが施されており、 透過率の高さを感じさせてくれます。 艶消し塗装も丁寧で、外観も高級感を感じさせる仕上がりになっています。


SDフラットナーHDの結像星像

SDフラットナーHDの結像性能を調べるため、 ビクセンSD81Sを郊外に持ち出し、星空撮影を実施しました。 撮影に使用したカメラは、天文用に改造された冷却デジタル一眼レフカメラのAstro6Dです。 赤道儀は、協栄産業オリジナル仕様のビクセンAP-WM赤道儀を使用し、ラセルタM-GENでオートガイド追尾を行いました。

星像の確認のため、はくちょう座のデネブを撮影対象に選びました。 下は、カメラの感度をISO6400に設定し、露出時間90秒で撮影した画像の全景です。 画像処理は行っておらず、液晶モニターに映し出されたままの画像です。

ビクセン SDフラットナーHD

元画像を一見した印象では、周辺減光は感じられず、色収差の発生も感じられません。 次に、画像の一部を拡大して結像性能を確認しましょう。 下は、35ミリフルサイズの撮影画像の中心と周辺星像を切り抜き、ピクセル等倍で切り取った比較画像です。

ビクセン SDフラットナーHD

各部分の星像を確認すると、中心部は非常にシャープで、 35ミリフルサイズの最周辺部でも星像はほぼ円形を保っています。 全体に渡って色収差の発生もほとんど感じられず、均質で鋭い星像だと感じました。

なお、中央に写っている輝星(デネブ)に回折像が写っていますが、 これは、SD81Sの対物レンズの間隔調整用の錫箔が、光路に少し飛び出しているためです。 回折像が気になる場合は、錫箔を隠す円形の絞りを作って、対物レンズセルの前に貼り付けるとよいでしょう。


SDフラットナーHDの周辺減光

SD81SSDフラットナーHDを付けた時の周辺減光について見ていきましょう。 下は、SD81SSDフラットナーHDを取り付けた際のフラットフレーム画像(未処理)です。

SDフラットナーHDの周辺減光

35ミリフルサイズの画角ですが、未処理の画像からは減光は感じられません。 次に、フラットフレーム画像を、レベル補正コマンドを使って、約5倍に圧縮強調しました。

SDフラットナーHDの周辺減光

ここまで強調すると、周辺部が中央部に比べて暗くなっている様子がわかります。 しかし、画面全体として減光はなだらかで、周辺減光の補正はしやすいでしょう。 センサーサイズが小さなAPS-Cサイズのデジカメなら、フラット補正無しで仕上げることもできそうです。


レデューサーHDの写真と星像

続いて、レデューサーレンズを使用した時の星像をチェックしました。 使用したカメラや機材は、SDフラットナーHDテスト時と全く同じです。 撮影対象は、ヘラクレス座の球状星団M13です。 ISO1600、180秒露光で撮影しました。

SDフラットナーHDの周辺減光

元画像を一見した印象では周辺減光は感じられず、色収差の発生も感じられません。 次に、球状星団の部分を拡大して結像性能を確認しましょう。

SDフラットナーHDの周辺減光

フラットナー同様、レデューサーを使用した場合も色収差は感じられず、 星像もシャープで、微恒星までよく分解しています。 コントラストも良好です。 更に、周辺星像を確認してみましょう。 下は、35ミリフルサイズの撮影画像の中心と周辺星像を、ピクセル等倍で切り取った比較画像です。

ビクセン SDフラットナーHD

各部分の星像を確認すると、中心部は極めてシャープです。 35ミリフルサイズの最周辺部は、よく見ると星像が若干菱形に崩れていますが、 その割合は少なく、ほぼ円形を保っていると言えるでしょう。


レデューサーHD使用時の周辺減光

レデューサー使用時の周辺減光についても確認しましょう。 下は、SD81Sとレデューサーを取り付けた際のフラットフレーム画像です。

レデューサーHDの周辺減光

35ミリフルサイズの画角ですが、元画像からは写野端でも減光は、ほとんど感じられません。 画像処理ソフトで画像を強調してみると、四隅に近づくにつれ、 光量の落ち込みが確認できますが、勾配はそれほど急ではなく、なだらかに減光するイメージです。

レデューサーHDの周辺減光

フラットナーレンズでの撮影時と比べると、周辺減光は増加しているものの、 レデューサーレンズ使用時でも極端な減光ではなく、補正がしやすい光学系であることが確認できました。


ビクセン SDフラットナーHDとレデューサーHDの印象

今回、SDレデューサーHDキット(SDフラットナーHDレデューサーHDのセット)を使って、 実際に天体撮影に使用した印象を、以下に箇条書きでまとめました。

従来のレデューサー(レデューサーED(F7.7用))に比べ、結像性能は段違いで、大幅な性能進化が感じられた。 外観も高級感があり、造りもしっかりしている。

結像性能が非常に優れているため、シャープな光学性能を生かすには、正確なピント合わせが必要だと感じた。 標準付属のピントノブでは、ドロチューブが大きく動いてしまうため、 減速装置の付いた「デュアルスピードフォーカサー」を、是非用意しておきたい。

レデューサーHD使用時、カメラのスケアリングがずれていると、左右で星像の伸び方や色ずれが異なるケースがあった。 重いカメラを取り付けるときは、ビクセンFL55SS用のK-ASTEC製TB-80/65ASのような、 補正レンズ部分を支持するバンドがあれば安心だろう。

SDフラットナーHD使用時は、周辺減光が非常に少なく、フラット補正が合いやすいと感じた。 ミラーボックスのケラレが発生しないミラーレス一眼や天体用CMOSカメラなら、 画像処理ソフトの周辺減光コマンドで補正できそうだ。

レデューサーHDは、他のレデューサーと比べて、焦点距離を短くする力が弱く(0.79倍)、F値はそれほど明るくならない。 そのため、露光時間はあまり短縮できないが、星像は良好で周辺減光も比較的少ないと感じた。 最近のデジカメは高感度特性が優れているので、明るさよりも星像に優れた補正レンズの方が、 画像処理時のストレスが少ないと思われる。


まとめ

ビクセン製の補正レンズは、以前は、高橋製作所製に比べて性能の点で今一歩という印象でしたが、 2015年8月にR200SS用の補正レンズ「コレクターPH」が発売されて一変しました。 コレクターPHは、天体写真ファンから絶賛され、 その後に発売された同望遠鏡用のエクステンダーPHも高い評価を得ています。

SDフラットナーHDレデューサーHDも、コレクターPHの流れを汲む補正レンズで、 今回、実際に使用してみて、改めてその結像性能の良さを実感しました。 以前のビクセン製補正レンズに満足できなかったベテランユーザーでも、 納得できる仕上がりになっていると思います。

元々はSDシリーズ用の補正レンズですが、EDシリーズはもちろん、 それより古い旧製品にも使用できる汎用性の高さも魅力です。 接続アダプターを工夫すれば、他社製の2枚玉屈折望遠鏡にも流用できるかもしれません。

個人的に、ビクセンのSDフラットナーHDレデューサーHDは、 他社製を含めても一二を争う、優れた補正レンズだと感じました。 ビクセンSDやED望遠鏡をお持ちなら、是非、SDレデューサーキットも手に入れて、 天体撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか。


SDレデューサーHDキットは以下の鏡筒に対応

SD81S鏡筒

SD103S鏡筒

SD115S鏡筒

AX103S鏡筒

VC200L鏡筒


レビュー著者 吉田隆行氏のサイトはこちら→天体写真の世界

ビクセン FL55SS のインプレッション

ビクセン FL55SS のインプレッション

ビクセン FL55SS

ビクセンFL55SSは、株式会社ビクセンが製造する天体望遠鏡で、2018年7月に発売開始されました。 有効口径55mmのコンパクトな望遠鏡ですが、対物レンズにフローライトレンズを採用しており、小さいながら高性能な天体望遠鏡です。

FL55SS用の天体撮影用のオプションとして、フラットナーレンズレデューサーレンズも用意されています。 天体撮影向けオプションを用いた際の結像性能を調べるため、このコンパクトな高性能機をフィールドに持ち出し、 写真性能を中心にレビューしました。


ビクセン FL55SS について

ビクセンFL55SS鏡筒は、口径55mm、焦点距離300mm(F5.5)のフローライトアポクロマート屈折望遠鏡です。 本体重量は1.5キロと軽く、外観も200ミリ望遠レンズを一回り大きくした程度のコンパクトな天体望遠鏡です。

ビクセン FL55SS

FL55SS鏡筒の下部には、スライドバーMがパーツを介してネジ止めされています。 他の望遠鏡に採用されている鏡筒バンド固定式と異なり、FL55SSはこのスライドバーMを用いて、 アリミゾ式の架台にワンタッチで取り付けることができます。 外観上、小さな鏡筒本体に比べて、スライドバーMが大きく感じられますが、 デジタルカメラを取り付けたときの前後バランスを考えてのことでしょう。

FL55SSには、デジタルカメラで星雲や星団を撮影するユーザー向けに、 フラットナーレンズフラットナーHDforFL55SS)とレデューサーレンズ(レデューサーHD5.5)が用意されています。 どちらも、高性能な補正レンズと評価が高く、FL55SSを天体撮影に使用するなら、 是非そろえておきたいオプションです。 フラットナーレンズレデューサーレンズについては、以下の項目で詳しく見て行きます。


フラットナーHD と レデューサーHD

フラットナーレンズは、その名の通り、望遠鏡が作り出した像を平坦化する機能があります。 FL55SSの中心像は非常にシャープですが、直焦点で星を撮影すると、結像面が湾曲しているため、 デジタルカメラの写野周辺の星はボケたように写ってしまいます。 FL55SSフラットナーレンズを追加することにより、像が平坦になり、周辺でもシャープな像を結びます。

ビクセン FL55SS

FL55SSフラットナーレンズは、「フラットナーHDキットforFL55SS>」というキットで販売されており、 レンズが入ったフラットナー本体と、延長筒(EXチューブ)で構成されています。 使用するときは、上の写真のようにEXチューブにフラットナーレンズ本体をねじ込み、鏡筒内に挿入して使います。 フラットナーレンズを使用したときの合成F値は、直焦点(F5.5)と比べて僅かに暗くなり、F5.7になります。

レデューサーレンズは、焦点距離を短縮し、F値を明るく補正するための補正レンズです。 FL55SSレデューサーレンズを使用すると、焦点距離は300ミリから237ミリに短くなり、F値は5.5から4.3へと、 絞り約2/3段分明るくなります。

ビクセン FL55SS

レデューサーレンズを使用するときは、EXチューブを取り外し、フラットナーレンズの後ろ直接ねじ込みます。 従来のビクセンの補正レンズと異なり、レデューサーレンズ単体では使用できないので、注意が必要です。 購入する際は、フラットナーHDキットforFL55SS>にレデューサーがセットされた「レデューサーHDキットforFL55SS」がお勧めです。

また、フラットナーレンズレデューサーレンズともに、ASコーティングという反射防止コーティングが施されており、 透過率の高さを感じさせてくれます。


FL55SSとフラットナーHDの写真と星像

ビクセンFL55SSを郊外に持ち出し、フラットナーHDを取り付けて、冬の星雲を撮影してみました。 撮影に使用したカメラは、天文用に改造された冷却デジタル一眼レフカメラのAstro6Dです。 赤道儀はビクセンのSXP赤道儀を使用し、ラセルタM-GENでオートガイド追尾を行いました。

撮影対象には、冬の定番構図「オリオン座の馬頭星雲からM42」を選びました。 下は、カメラの感度をISO3200に設定し、露出時間240秒で撮影した画像の全景です。 画像処理は行っておらず、液晶モニターに映し出されたままの画像です。

ビクセン FL55SS

元画像を一見した印象では周辺減光は感じられず、色収差の発生も感じられません。 まず、画像の一部を拡大して結像性能を確認しましょう。

ビクセン FL55SS

上は、馬頭星雲付近を拡大した画像です。 対物レンズにフローライトレンズを使っている効果でしょう、色収差は感じられず、星像もシャープです。 コントラストも良好で、未処理の画像ながら、馬頭星雲の周囲に広がる赤い星雲がよく写し出されています。

次に、周辺星像を確認してみましょう。 下は、35ミリフルサイズの撮影画像の中心と周辺星像を、ピクセル等倍で切り取った比較画像です。

ビクセン FL55SS

各部分の星像を確認すると、中心部は極めてシャープですが、35ミリフルサイズの最周辺部は、 星像が菱形に崩れています。残存している非点収差等の影響だと思います。 ただ、周辺部でも色ズレの発生は感じられず、改めて色収差の少ない光学系だと感じました。

さらに、天体撮影によく用いられている、APS-Cサイズのデジタルカメラの画角の星像を確認してみましょう。 35ミリフルサイズの画像を、APS-Cサイズにトリミングしてみました。

ビクセン FL55SS

上画像のように、APS-Cの画角では、最周辺部まで星像は丸く、写野全面に渡って鋭い星像を結んでいます。 APS-Cセンサーのデジタルカメラなら、周辺部まで、全面に渡って鋭い星像を結ぶでしょう。


FL55SSとフラットナーHDの周辺減光

FL55SSフラットナーHDを付けた時の周辺減光について見ていきましょう。 下は、FL55SSフラットナーHDを取り付けた際のフラットフレーム画像です。

ビクセン FL55SS

35ミリフルサイズの画角ですが、写野端でも減光は感じられません。 画像処理ソフトで画像を強調しても、四隅の光量の落ち込みは感じられませんでした。

確認のため、オリオン座の星雲の写真を強調処理してみましょう。 ステライメージ8を使用し、オリオン大星雲の東側に広がる分子雲が出るまでレベル補正コマンドで強調しましたが、 周辺減光は感じられません。 使用するカメラによっては、ミラーボックスのケラレが生じることはあるかもしれませんが、 FL55SSフラットナーHDの周辺減光の少なさがよくわかりました。

ビクセン FL55SS

参考までに、天体撮影によく使用される、所謂サンニッパの300mmF2.8レンズで撮影した画像を下に掲載しました。

ビクセン FL55SS

300ミリレンズは周辺減光を減らすため、絞りを約1/3段絞っていますが、 それでもFL55SSと比べると周辺減光が目立ちます。 FL55SSには対物レンズと比較して口径の大きなフラットナーレンズを使用していることもあり、 周辺光量はカメラレンズに比べて豊富なのでしょう。


FL55SSとレデューサーHDの写真と星像

続いて、レデューサーレンズを使用した時の星像もチェックしました。 使用したカメラや機材は、フラットナーHDテスト時と全く同じです。 撮影対象も、同じくオリオン座の星雲群です。 F値が明るい分、露光時間は若干短く、ISO3200で180秒露光で撮影しています。

ビクセン FL55SS

焦点距離が短くなった分、フラットナーレンズでの撮影時と比べると、 オリオン座の三ツ星も写野内に入り、画角が一回り広くなっているのがわかります。 元画像を一見した印象では周辺減光は感じられず、色収差の発生も感じられません。 まず、画像の一部を拡大して結像性能を確認しましょう。

ビクセン FL55SS

今回も、馬頭星雲付近を拡大してみました。レデューサーを使用した場合も色収差は感じられず、 星像もシャープです。コントラストも良好で、輝星の輝きから光学系の抜けの良さが感じられます。

次に、周辺星像を確認してみましょう。 下は、35ミリフルサイズの撮影画像の中心と周辺星像を、ピクセル等倍で切り取った比較画像です。

ビクセン FL55SS

各部分の星像を確認すると、中心部は極めてシャープですが、 35ミリフルサイズの最周辺部は、星像が崩れています。 ただ、星像の崩れは放射状に伸びるのではなく、 円周方向にボケたような崩れ方なので、それほど目立たないように感じました。

続いて、天体撮影によく用いられている、APS-Cサイズのデジタルカメラの画角の星像を確認してみましょう。 35ミリフルサイズの画像を、APS-Cサイズにトリミングしてみました。

ビクセン FL55SS

上画像のように、APS-Cの画角では、最周辺部の星像は若干崩れますが、崩れは極めて小さく収まっています。 上記結果から、レデューサーを用いた場合でも、APS-Cセンサーのデジタルカメラなら、 写野全面に渡って、ほぼ丸い星像を結ぶと言えると思います。


FL55SSとレデューサー使用時の周辺減光

レデューサー使用時の周辺減光についても確認しましょう。 下は、FL55SSとレデューサーを取り付けた際のフラットフレーム画像です。

ビクセン FL55SS

35ミリフルサイズの画角ですが、元画像からは写野端でも減光は感じられません。 画像処理ソフトで画像を強調してみると、四隅に近づくにつれ、 光量の落ち込みが確認できますが、その程度は軽微です。

確認のため、先ほどのオリオン座の星雲の写真を強調処理してみましょう。 ステライメージ8を使用し、オリオン大星雲の東側に広がる分子雲が出るまでレベル補正コマンドで強調したところ 、四隅が暗くなっているのがわかります。

ビクセン FL55SS

フラットナーレンズでの撮影時と比べると、周辺減光が発生していますが、 その量はごく軽微で、レデューサーレンズ使用時も周辺光量の豊富な光学系であることが確認できました。

オリオン座の馬頭星雲からM42
大きい写真はコチラ 

大きい写真はコチラ 
撮影機材:ビクセン FL55SS鏡筒フラットナーHDキットSXP赤道儀
使用カメラ:Astro6D
露出時間:300秒×16コマ
撮影条件:RAWモード、ISO3200、M-genにて追尾撮影
撮影機材:ビクセン FL55SS鏡筒フラットナーHDキットSWAT-350 V-spec
使用カメラ:Astro6D
露出時間:180秒露光×16枚
撮影条件:SWAT-350 V-specにてノータッチ追尾

オートガイダーの取り付けについて

ビクセンFL55SSは、鏡筒バンドを使った固定方式ではないため、 通常の天体望遠鏡撮影システムのようにオートガイダーを親子亀方式で取り付けることはできません。 そこで、当初は、タカハシのガイド専用望遠鏡GT-40を赤道儀に取り付け、 その上にアリガタ金具を介して、FL55SSを搭載していました。

ビクセン FL55SS

この方式でオートガイドには問題ありませんでしたが、撮影に使用したところ、 ピントノブを回してドロチューブを前後させると、 拡大したデジカメの画像内で星がぴょんぴょんと動き回ることに気づきました。

また、ドロチューブの固定ネジを締めた際、星の位置がずれる点も気になりました。 ドロチューブが大きく傾くと、スケアリングのズレに繋がり、撮影画像にも影響が出ます。 実際、この組み合わせで撮影した画像を確認すると、左右で星像の写り方が違っている場合がありました。

対策として、スライドバーMを外し、K-Astec製の鏡筒バンド「TB-80/65AS」を使った固定方法に変更しました。赤道儀への装着は、同じK-Astec製のアルカスイス規格プレートDP38-190で固定します。 このように変更してみると、上記で感じた写野内での星の動きは小さくなり、 偏っていた周辺星像も改善しました。

ビクセン FL55SS

TB-80/65ASを使用すると、FL55SS鏡筒は裏返しになりますが、 スライドバーMを取り外した台座部に天文用アルカスイス規格クランプDS38を追加し、 ガイド鏡を載せることができます。

実際に一連のK-Astecパーツを試したところ、FL55SSを快適に使用できるようになりました。 フラットナーとレデューサーを使って本格的に天体撮影を楽しもうという方には、 是非K-Astecパーツを追加されることをお勧めします。


撮影後の印象

今回、ビクセンFL55SSを実際に天体撮影に使用した印象を、以下に箇条書きでまとめました。

色収差が少なく、星像も大変シャープ。 FL55SSの光学性能を生かすには、正確なピント合わせが必要だと感じた。 標準付属のピントノブでは、ドロチューブが大きく動いてしまうため、 減速装置が付いた「デュアルスピードフォーカサー」は、是非装備しておきたい。

補正レンズを使用した際の周辺光量は非常に豊富で、特にフラットナーHD使用時は、周辺減光はほとんど感じられない。 周辺減光が少ないので、フラット補正が合いやすく、 ミラーボックスのケラレが発生しないミラーレス一眼なら、フラット補正も必要ないくらいに感じた。

上記したとおり、ドロチューブの摺動部分の公差が大きいのか、ピントノブを回すと視野内で星が動く点が気になる。 メーカーとして予め対策をお願いしたいところだが、K-Astec製のTB-80/65ASを使用すれば解決する。

ビクセンの高性能アイピース、HR2.0ミリを接眼部に挿し込み、星像を確認したところ、 色収差は感じられず、シャープで、ジフラクションリングも綺麗に見えた。 FL55SSは、写真性能だけでなく、眼視性能も優れた望遠鏡だと感じた。

口径55ミリの望遠鏡とは思えないほど、よく写ると感じた。 焦点距離200ミリ~300ミリ前後の光学系となるとカメラレンズも候補になってくるが、 星像の美しさやコントラストの点で、やはりFL55SSの方が優れているだろう。

軽くてコンパクトなので、ポータブル赤道儀にも搭載しやすい。 実際、ユニテック社のSWAT-350 V-specに載せて撮影したが、ノータッチ追尾で天体撮影を楽しめるのは、とても快適だった。 2020年に発売される予定のポラリエUに搭載してもよさそうだ。


まとめ

焦点距離200ミリ~300ミリ前後の画角の撮影ではカメラレンズを使用することが多く、 小型望遠鏡にはこれまであまり興味を引かれませんでしたが、 今回、ビクセンFL55SSを使用してみて、考えが180度変わりました。

FL55SSは、色収差が良好に補正されているので、青ハロの発生は皆無です。 周辺星像もカメラレンズと比べて良好で、周辺光量が豊富なので、フラット補正に悩むこともありません。 これは、フローライトレンズを採用した効果だけではなく、丁寧に作られたフラットナーレンズレデューサーレンズによるところも大きいでしょう。

天体撮影用の屈折望遠鏡と言えば、口径8センチ~10センチ前後の鏡筒がメジャーでしたが、 ここ数年、口径6センチ前後のコンパクトな高性能機も注目されています。 ビクセンFL55SSは、その中では高価な機種になりますが、眼視性能の高さや高品質な補正レンズなど、 今回のレビューを通じて、価格相応の品質を備えた望遠鏡だと感じました。

ビクセンFL55SSは、星景写真から天体撮影にも挑戦してみようという方に、特にお勧めしたい望遠鏡です。 また、ベテランのサブ機や海外遠征機材としても、確実に結果を残せる優れた望遠鏡だと感じました。



かもめ星雲(IC2177)
大きい写真はコチラ 

撮影機材:ビクセン FL55SS鏡筒フラットナーHDキットSXP赤道儀M-genにてオートガイド追尾
使用カメラ:Astro6D
撮影条件:300秒×6枚、ISO3200

ラセルタ モーターフォーカスのインプレッション

ラセルタ モーターフォーカスのインプレッション

ラセルタ モーターフォーカス

ラセルタモーターフォーカス(以下:ラセルタMFOC)は、 M-GENスーパーガイダーでお馴染みの「Lacerta(ラセルタ)」が製造している電動フォーカサーです。 今回、タカハシのε-130DFSQ-85EDラセルタMFOCを取り付けて撮影する機会を得ましたので、 ラセルタMFOCの概要と使用した印象をレビューにまとめました。


ラセルタMFOCについて

天体撮影用の電動フォーカサーには、大きく分けて、フランジ型の製品と、 望遠鏡のドロチューブ機構に取り付ける、ラック&ピニオン型の2種類があります。 ラセルタMFOCは後者のタイプで、下の写真のように、望遠鏡のピントノブを外した部分に、 付属アダプターを使ってモーターを固定し、コントローラーでこのモーターを回転させてピントを合わせます。

ラセルタ モーターフォーカス

望遠鏡の光路内に組み込むフランジ型の製品(β-SGRなど)と比べ、ラセルタMFOCは、 天体望遠鏡のピント機構を使用するので、バックフォーカスを気にする必要がありません。 また、汎用性が高く、取付アダプターを替えれば、様々な望遠鏡に使用することができます。

ラセルタMFOCには、コントローラー本体と電動モーター、望遠鏡取り付け用のアダプター、各種ケーブル類が付属します。 なお、ラセルタMFOCのコントローラーは、ボタンの配置は若干異なるものの、 M-GENスーパーガイダーとそっくりの形をしていますので、 M-GENユーザーには馴染みやすいのではないでしょうか。


ラセルタMFOCの機能について

ラセルタMFOCは、高機能な電動フォーカサーで、コントローラーを使って単純にモーターを動かしてドロチューブを前後させる機能だけではなく、 温度センサーに従ってピントを補正したり、パソコンとASCOM接続したりといった、 電動フォーカサーに必要とされる様々な機能が設けられています。

天体写真ファンには、モーターの動きの細かさが気になるところですが、取扱説明書によれば、 最小の繰り返し精度は0.001mmですので、F値の明るい望遠鏡でも十分な精度でしょう。 また、ステップ数は250,000ステップと余裕があり、 望遠鏡のドロチューブにもよりますが、必要十分なストローク(可動範囲)があると言えると思います。

モーターには、ステッピングモーターが使われています。 取扱説明書によれば、ホールド時の最大能力は5キロとありますので、 重いデジタル一眼レフカメラでも保持できそうです。

下に、ラセルタMFOCの主な機能と特徴をまとめました。 なお、細かい仕様については、カタログや販売ページをご覧ください。

・スタンドアロンモードとASCOMによる制御
・温度センサー(全長約180cmのプローブコード付属)
・バックラッシュ補正機能
・GOTO機能とフィルターオフセットポジション登録
・250,000ステップ、最小の再現性0.001mm
・パーマネントフォーカス(自動温度補正可能)
・M-GENと接続するためのシャッター信号認識
・電源オフ時はマニュアルフォーカス可能


ラセルタMFOCの取り付け方

実際の使用レビューの前に、鏡筒に取り付けた様子をご覧ください。 詳しい取り付け方は、説明書をご確認いただければと思いますが、 ここでは取り付け方のコツをご紹介します。 まず、天体写真ファンに人気の高いタカハシε-130Dへの取付です。

ラセルタ モーターフォーカス

上記のように、ε-130Dのピントノブを外してラセルタMFOCのモーターを挿し込み、 付属のアダプター(大)を使って固定します。

アダプターを接眼部に固定するネジの両側に、隙間を調整するイモネジがあります。 このイモネジを使って、ラック&ピニオンとモーターの軸が一直線になり、 ドロチューブがスムーズに動くように調整してください。 この部分の動きが悪いと、モーターに余計な負荷がかかり、エラーが発生することがあります。

ラセルタ モーターフォーカス

次は、FSQ-85EDへの取付です。上の写真のように、減速装置と逆側のノブを外し、そこにモーターを取り付けます。

アダプターは、ε-130Dとは別のものを使用します。このアダプターには、調整用のイモネジはありませんので、 ねじ込んで固定するだけです。 ただ念のために、ドロチューブの動きは確認しておきましょう。

今回、試用したラセルタMFOCには、タカハシ製望遠鏡に取り付けるためのアダプターが2種類付属していました。 このアダプターを使用すれば、一部の望遠鏡(TOA-150B等)を除き、 たいていのタカハシ製望遠鏡にモーターを取り付けることができます。


ラセルタMFOCの使い心地

ラセルタMFOCを使用して、実際に星空撮影を行い、電動フォーカサーの使い心地を確認しました。 使用した望遠鏡は、天体撮影ファンに人気の高い高橋製作所のε-130DFSQ-85EDです。 これらに、重さ約1.4キロのフルサイズ冷却デジタルカメラ、Astro6Dを取り付けて撮影を行いました。

パソコンとは接続せず、コントローラーのボタンを押して、カメラのライブビュー画面を見ながらピントを合わせました。 下の画像のように、ラセルタMFOCの液晶ディスプレイに、モーターのステップ数と動く方向が常時表示されますので、 ピントをどの方向にどれだけ動かしたかがすぐにわかります。
※下の画像の「6715」がステップ数、「In」がモーターが動いている方向です。

ラセルタ モーターフォーカス

これまでは、望遠鏡の接眼部にアナログのピントゲージを取り付け、小さなメモリを見ながらピントノブを慎重に回し、 どの方向にどれだけ動かしたかを覚える必要がありましたが、 ラセルタMFOCでは快適にピント合わせができました。

重さ約1.4キロのAstro6Dを接眼部に取り付けましたが、特に動作に問題はありませんでした。 ただ、数キロを超える非常に重い冷却CCDカメラ(FLIのProlineなど)や、 巨大なオフアキシスガイダーを接眼部に取り付ける場合は、事前に相談した方がよいでしょう。

モーターの最小移動量は十分に小さく、F値の明るいε-130Dで使用しても、ピント合わせの精度は十分でした。 F2.8クラスの望遠鏡でも、必要十分なピント精度が得られると感じました。


ASCOM接続でより高度なフォーカシング

スタンドアロンでも便利なラセルタMFOCですが、USBケーブルでパソコンに繋ぎ、 ASCOM対応のソフトウェア(FocusMaxやMaximDLなど)を使って、ピントを合わせることも可能です。 今回は、ASCOM対応のフォーカシングソフト「FocusMax」と冷却CCDカメラを使って、 実際に星空を撮影し、ラセルタMFOCの動作を確認しました。

ラセルタ モーターフォーカス

上の画像は、FocusMaxを使ってピントを合わせている時のパソコン画面です。 左のFocusMaxのダイアログボックスの「Focuser」欄に「LacertaMotorFocus」が選択されていることが確認できます。

FocusMaxは、カメラ制御ソフトと連携して、オートフォーカスが可能なソフトウェアです。 上画面の中央に、赤い丸が幾つも「V」上に並んだダイアログボックスがありますが、 この赤い丸の回数だけ、ラセルタMFOCがピントをずらして撮影を行い、 ピントの最適位置を探しました。 ラセルタMFOCは、FocusMaxとの連携も良好で、パソコン上でも快適にピントを合わせられることが確認できました。

なお、ASCOM対応ソフトウェア上でラセルタMFOCを制御するには、ASCOMドライバーのインストールなどが必要です。 若干専門的な知識や対応ソフトが必要ですが、 普段、パソコンからデジタルカメラを制御して撮影されている方にとっては、魅力的な機能でしょう。


その他の便利な機能

ラセルタMFOCは高機能なフォーカサーですので、全ての機能は試せませんでしたが、 天体撮影に役立つ、いくつかの便利な機能をご紹介しましょう。

・ハンドコントローラーのボタンを押し続ける代わりに、GOTO機能を使って、 希望のカウント位置まで一気に動かすことができます。 ピント位置を大きく動かしたいときに便利な機能です。

ラセルタ モーターフォーカス

・フォーカサーのオフセット値を、9つまで登録することができます。 具体的には、フィルター毎のピントの誤差を事前に登録しておき、 フィルターを交換するごとに、オフセット値を読み出してピントを一気に合わせることができます。

・パーマネントフォーカス機能(PermanentFocus)と呼ばれる、温度補正機能付きのモードが用意されています。 この機能は、電源を切るときのピント位置を記憶し、次回、電源を入れたときに、 温度プローブの計測値を参考にして、最適なピント位置まで自動的にモーターを動かす機能です。 この機能を正しく使用するには、温度変化時のピントの移動量、ラック&ピニオンのバックラッシュ量を事前に登録する必要がありますが、 使いこなせば便利な機能でしょう。

M-GENスーパーガイダーラセルタMFOCを繋ぐことで、シャッターが閉じている間に、 設定した温度変化時のピント移動量に基づき、ピントの温度補正を行うことができます。 また、ソフトウェアが対応していれば、パソコン上のASCOM対応プログラムでも可能です。


まとめ

今回、ラセルタMFOCを天体撮影に使用してみて、コントローラーの使い勝手の良さと、 ASCOM対応ソフトウェアと連携して高度な天体撮影にも対応できることを確認することができました。

ラセルタMFOCは、オートガイダーとして人気の同社の M-GENスーパーガイダーと同じように、 コントローラーを使って天体写真の初級者の方でも簡単に操作でき、 かつ、ベテランの方でも満足できる機能が内蔵された電動フォーカサーだと感じました。

天体写真を撮影する上で、ピント合わせは大変重要ですが、面倒な作業でもあります。 スタンドアロンからASCOM制御にまで対応したラセルタMFOCを使用すれば、 これまでより簡単かつ正確にピント合わせをすることができるでしょう。 ラセルタMFOCは、よりシャープな画像を得る上で、大きな手助けになるツールだと思います。

タカハシε-130Dのインプレッション

タカハシε-130Dのインプレッション

タカハシε-130D タカハシ ε-130Dは、高橋製作所が製造している天体望遠鏡です。

ε-130Dは、アイソン彗星(C/2012 S1)の接近(2013年12月)に合わせて開発が進められ、 2013年8月に発売開始されました。

ε-130Dは、一般的な天体望遠鏡と異なり、天体撮影専用の望遠鏡です。 開放F値が「3.3」と望遠レンズ並みに明るいので、短時間の撮影でも淡い星雲を映し出すことが可能です。

ε-130Dは、生産が終了していた先代のε-130の性能を受け継ぎつつ、 デジタル対応の補正レンズを組み込んで、最新の撮影機材に対応したモデルです。 同社の反射式望遠鏡の現行ラインナップ中で、最も小さく、安価なモデルです。


イプシロンシリーズの復活とε-130D

高橋製作所のイプシロンシリーズは、天体撮影用に開発された望遠鏡です。 主鏡には、双曲面鏡(Hyperboloid mirror)が用いられ、 焦点面の前に補正レンズを置くことによって、平坦な像を得ます。

ε-130Dは、イプシロンシリーズの中で最も小さな望遠鏡です。 先代のε-130は1984年に発売され、 長らく生産されましたが、イメージサークルが広い高性能屈折望遠鏡に人気が集まると、 やがてイプシロンシリーズは生産が終了しました。

その後、デジタル機材が天体撮影に使われ始めると、 F値の明るいイプシロンシリーズが、再び天文ファンから注目されるようになりました。 高橋製作所は、2003年にタカハシε-160を限定再生産し、 2005年にはデジタル時代を担うイプシロン鏡筒としてε-180EDを発表しました。

限定生産 タカハシε-160

2003年に限定再生産されたε-160

ε-180EDは歴代最高のF2.8という明るさで注目を集め、多くの天体写真ファンが購入しましたが、 光軸調整や平面性の調整がシビアな鏡筒でした。 2007年にタカハシFSQ-106EDが発表されると、屈折へ乗り換えるユーザーが増え、 中古市場でε-180EDをよく見かけるようになりました。

2009年に、ε-130とε-160用のデジタル対応補正レンズが限定生産されました。 そして、2013年のアイソン彗星の接近に合わせて発表されたのが、ε-130Dです。 ε-130Dはコンパクトで軽量なため、SXクラスの赤道儀にも載せられるとあって、 今でも人気機種の一つになっています。

歴代のイプシロンシリーズのスペック表

鏡筒名 生産開始年 口径 焦点距離 口径比 重さ
ε-130 1984年 130mm 430mm 3.3 5.5kg
ε-130D 2013年 130mm 430mm 3.3 4.9kg
ε-160 1984年 160mm 530mm 3.3 7.6kg
ε-180ED 2005年 180mm 500mm 2.8 10.7kg
ε-200 1984年 200mm 800mm 4.0 13.5kg
ε-210C 1993年 210mm 628mm 3.0 10.4kg
ε-210 1996年 210mm 628mm 3.0 15.3kg
ε-250 1987年 250mm 854mm 3.4 32.0kg
ε-250C 1992年 250mm 854mm 3.4 18.9kg
ε-300 1985年 300mm 1130mm 3.8 45.0kg
ε-350 1997年 350mm 1248mm 3.6 66.0kg

タカハシε-130Dの外観と先代からの変更点

ε-130Dは、鏡筒色がイエローで、鏡筒の大きさも小さいので、 初めて見たときは、かわいらしく感じました。 しかし、高橋製作所の望遠鏡らしく、鏡筒各部の造りはとてもしっかりしています。

ε-130Dを上位機種のε-180EDと比べると、5センチの口径差以上に、小さく感じられます。 下は、ε-180EDε-130Dの開口部からの写真です。

ε-180EDとε-130D

ε-180ED(左)とε-130D(右)

先代のε-130と外観を比較すると、ε-130Dには、 鏡筒の先に丈夫なトップリングが取り付けられ、斜鏡を固定するスパイダーは、このトップリングに固定されています。 ε-180EDにも採用されている方式ですが、ねじれや歪みに強いので、より光軸がずれにくくなっています。

ε-180EDとε-130Dの補正レンズ

ε-130D(左)とε-180EDの補正レンズ(右)

補正レンズは、4群4枚から2群2枚構成のものに変更されました。 メーカーによると、最小星像は、先代ε-130との比較で1/3以下になっているということです。 また、歪曲収差(ディストーション)も半分以下に補正されており、 モザイク合成を前提とした天体撮影にも使いやすくなっています。

なお、高橋製作所は、2009年と2013年に、ε-160/130用のデジタル対応補正レンズを限定で販売しています。 新型補正レンズを用いれば、ε-130でも現行モデルに近い性能が得られるということで、 今でも中古市場で人気の高い撮影パーツです。


鏡筒の前後バランスと鏡筒バンド

ε-130Dは主鏡が小さく軽いため、接眼部に重いデジタルカメラを取り付けると、 前後バランスを取る点が、鏡筒の前寄りになってしまいます。

ε-130Dの鏡筒バンド

ニコンD810Aを取り付けた様子

上の写真は、K-Astec製の鏡筒バンドとプレートセットを取り付けた様子です。 鏡筒の前後バランスを取るため、接眼部を上にして、そこにデジタルカメラを取り付けています。

ガイド鏡は、鏡筒バンドの斜めの位置に、細長いプレートを追加して固定します。 昔のようなスライディングプレートにガイド鏡と同架する方法もありますが、 上記の方法の方が追尾が安定するように思います。


ε-130Dの斜鏡と主鏡と補正レンズ

ε-130Dでは、天体撮影時の周辺減光を減らすため、短径63ミリの大きな斜鏡が採用されています。 また、周辺減光の偏りを減らすため、斜鏡は接眼部と反対側にオフセット(偏心取り付け)されています。

ε-130Dの偏心斜鏡

斜鏡は、45度に切断した円筒に、緩衝材のコルクを介して貼り付けられています。 外側には、迷光防止のための植毛紙が巻き付けられています。 ε-180EDの斜鏡と同じ固定方法です。


主鏡セル

主鏡は、主鏡セルに納められています。 ε-130Dの主鏡セルは、ε-160と同様、ミラーを3つの爪で抑える構造になっています。

ε-130Dの主鏡セル

左がε-180ED、右がε-130Dの主鏡セル

ε-180EDの立派な主鏡セルと比べると簡素に感じられますが、 13センチのミラーは軽いので、歪みなどの問題は発生しないという判断でしょう。 ただ、主鏡の爪がミラーに飛び出ているため、この部分で星の光が散乱し、 輝星に余計な光条が発生する場合があります。 これを防ぐには、爪を隠すリングを自作するとよいでしょう。

セルの構造はε-160と同じですが、光軸調整用ネジは、 親子ネジから押しネジ、引きネジが独立したタイプに変更されています。


ε-130Dの光軸調整機構

他のニュートン反射望遠鏡と同様に、タカハシε-130Dには、 主鏡と斜鏡の傾きと位置を調整するための光軸調整機構が取り付けられています。

ε-130Dの光軸調整装置

斜鏡の光軸調整装置には、中央に引きネジ1本、その周りに押しネジ3本が取り付けられています。 ε-180EDと異なり、ロック用のナットは付属していませんが、 押しネジには粘度の高いグリスが塗られています。

主鏡セルの光軸調整装置は、引きネジと押しネジが独立したタイプで、120度間隔で3箇所設けられています。 また、主鏡セルの側面には、ラジアル方向(光軸と垂直方向)の位置決めのためのイモネジがねじ込まれています。

鏡筒のトップリングには、斜鏡を吊るスパイダーが取り付けられています。 スパイダーは厚みのある羽形状のもので、 トップリングの外側から、ネジで引っ張り固定されています。 鏡筒内側のロックネジを緩めると、スパイダーの長さを調整することができます。


ε-130Dの光軸調整について

光軸調整は、補正レンズを外し、ニュートン反射望遠鏡と同じように光軸調整ツールを使って行います。 調整方法の詳細は省きますが、光軸が合っていると以下のように見えます。

ε-130Dの光軸

斜鏡のセンターマークと光軸調整ツールの十字線の交点が一致している
斜鏡の外側がドロチューブの側面と同心円になっている
主鏡のセンターマークと光軸調整ツールの十字線交点が重なっている
主鏡に写った斜鏡の側面が上下で同じ幅になっている(眼を上下に振って確認)

光軸調整のポイントは以下の通りです。

斜鏡のセンターマークと接眼部の中心を、できるだけ正確に合わせましょう。 光軸調整ツールを覗く眼の位置によって、 十字線とセンターマークが重なっているように見えることもあるので、注意が必要です。 斜鏡の位置がずれていると、周辺減光が偏ってしまいます。

レーザーコリメーターは便利な道具ですが、斜鏡の回転方向を判断することができません。 必ず、光軸調整ツールを使って、目視で確認することをお勧めします。

光軸調整の説明書に、スパイダーを調整する方法が書かれていることがありますが、 調整に慣れるまでは、スパイダーにはむやみに触らない方が無難です。

光軸が合っているように見えても、実際に撮影した星像が悪く、何度調整しても改善しないときは、 接眼部が傾くなど、他の原因が考えられます。 購入したばかりなら、メーカーに相談することとよいでしょう。


ε-130Dの星像

ε-130Dの結像性能を調べるため、接眼部に35ミリフルサイズのデジタル一眼レフカメラ「ニコンD810A」を取り付け、 夏の人気天体「北アメリカ星雲とペリカン星雲」を撮影してみました。

下が撮影したそのままの画像です。 全体画像の下に各部分の拡大写真を載せています。 なお、撮影にはAXD赤道儀を使用し、オートガイド撮影をおこないました。カメラの設定は、ISO1600、300秒露光です。

※販売店から届いた状態のままテスト撮影したため、 運搬時の振動等で、光軸やスケアリングが若干ずれている可能性があります。

ε-130Dで撮影した画像

ε-130Dで撮影した画像

ピクセル等倍画像もご覧ください

全体画像を見ると、中央から周辺に行くにつれて背景の明るさが暗くなり、周辺減光が発生していることがわかります。 周辺減光は上位機種のε-180EDに比べ、若干大きいように感じられます。

中心部の星像はシャープで、フルサイズ四隅でもそれほど星像は悪化していません。 また色収差も感じられず、写野全体に渡ってシャープな星像を結んでいます。


フラットフレーム

ε-130Dの周辺減光の様子を調べるため、ε-130DにニコンD810Aを取り付け、フラットフレームを撮影しました。

ε-130Dのフラットフレーム

上が今回撮影したフラットフレームの画像です。 写真を見ると、画面周辺が中央部に比べて暗くなっているのがわかります。 上下が暗くなっているのは、デジタル一眼レフカメラのミラーボックスのケラレによるものです。

今回は35ミリフルサイズのフラットフレームですが、上記の画像を見る限り、 センサーサイズがAPS-Cのデジタルカメラなら、周辺減光もそれほど気にならないように思います。 フルサイズ最周辺まで表現したい場合は、正確なフラット補正が必須となるでしょう。

参考までに、天体撮影で人気の高い屈折望遠鏡、FSQ-106EDと周辺減光の様子を比べてみました。

ε-130DとFSQ-106EDのフラットフレーム比較

上がε-130D、下がFSQ-106EDのフラットフレームです。 どちらもニコンD810Aで撮影した画像ですが、FSQ-106EDの方が周辺減光が少なく、 中央からの減光もなだらかです。

屈折望遠鏡に比べ、反射望遠鏡はフラット補正が難しいという話を耳にしますが、 フラットフレームの画像にも、その傾向が表れているようです。


軽量で高性能な写真鏡

タカハシε-130Dは、本体重量が約5キロと軽く、 タカハシのEM-11、ビクセンのSX赤道儀クラスでも搭載が可能です。 機材全体がコンパクトになり、遠征時の負担が減るのは大きなメリットです。

星の写りに関しては、35ミリフルサイズ周辺でも満足できるシャープな星像です。 また、ε-180EDに比べてF値が若干暗い分、スケアリングにも寛容で、 実用的な鏡筒であると感じました。

屈折望遠鏡ユーザーにとって、反射望遠鏡は光軸合わせが面倒でフラット補正が難しいというイメージがありますが、 ε-130Dは、天体撮影用の明るい鏡筒の中では扱いやすい機材だと思います。

ε-130Dは、発表以来、天体撮影用の人気機種となっていますが、 これからもイプシロンシリーズの入門機として、広く支持されていく望遠鏡だと感じました

レビュー著者 吉田隆行氏のサイトはこちら→天体写真の世界

ロスマンディー G11S 赤道儀のインプレッション

ロスマンディー G11S 赤道儀のインプレッション

ロスマンディー G11 赤道儀

ロスマンディーG11S赤道儀(以下: G11S赤道儀)は、長い間作り続けられているアメリカ製の赤道儀で、 世界中で安定した評価を得ています。 G11S赤道儀の最大搭載重量は約27キロを誇り、日本の天体写真ファンに人気の高いタカハシEM-200赤道儀を凌ぎます。 今回 G11S赤道儀にタカハシTOA130望遠鏡を搭載して天体撮影を行う機会を得ましたので、 G11S赤道儀の概略や追尾精度を交えながら、機材の使用感をまとめました。


ロスマンディー G11S 赤道儀について

G11赤道儀には、採用されているモータードライブの種類により、いくつかのタイプが用意されていますが、 今回使用したのは、赤緯と赤経モーターが付属した「G11S 両軸モーターコントローラー付モデル」です。 三脚は、ロスマンディー製の丸パイプ二段伸縮脚を使用しました。

ロスマンディー G11 赤道儀

G11S赤道儀は、ジュラルミンと呼ばれるアルミニウム合金で製造されています。 黒色アルマイト加工が施されたボディは、白っぽい色合いの日本の赤道儀とは一味違い、 引き締まった印象を受けます。 CNC旋盤を使って切削加工された仕上げは美しく、本体に触れると、各部の組み立て精度の高さを感じました。

G11S赤道儀本体でまず目を引くのは、ウォームホイルが入った大きなハウジング部分です。 ウォームホイルの直径は143cm、歯数は360枚もあり、タカハシEM-200(ウォームホイル直径92mm、歯数180枚)と比較しても、 かなり大きなギアが用いられています。 ウォームホイルは、精度や強度に影響を与える重要なパーツで、一般的に大きい方が追尾精度が高いと考えられています。

ロスマンディー G11 赤道儀

G11S赤道儀のヘッドには、大型のアリミゾ金具が取り付けられています。 このアリミゾは、ロスマンディー規格と呼ばれる75mm幅のアリガタプレートだけでなく、 ビクセン規格のアリガタプレートにも対応しています。

G11S赤道儀の赤経と赤緯のクランプは、それぞれの軸の根元に装備されています。 一般的な赤道儀のクランプは、締めるか緩めるしかできませんが、 G11S赤道儀にはクラッチ機構が設けられており、ユーザーが載せる機材の重さに合わせて、 クランプのテンションを調整することができます。

このクラッチ機構があるおかげで、 G11S赤道儀はフリーストップマウントとして使うことも可能です。 具体的には、モーターの電源を入れたまま、自由に天体望遠鏡を動かして目標の天体を導入することができ、 手を離したところで望遠鏡が固定され、恒星時追尾で目標天体を追いかけてくれます。


ロスマンディー G11S 赤道儀の追尾精度

天体写真撮影は、オートガイド撮影が主流となりましたが、赤道儀の追尾精度は天体写真ファンにとって気になる点です。 そこで G11S赤道儀のピリオディックモーションを、ウォームギア2周期分(約8分間)撮影し、実測してみました。

撮影した結果は、下の画像の通り、±10秒程度でした。 一般的にこのクラスの赤道儀では±10秒前後の場合が多いので、 標準的な基準をクリアしていると言えます。 ウォームホイルの他の部分でも実測してみましたが、いずれもほぼ同じ結果が得られました。

ロスマンディー G11 赤道儀

また、 G11S赤道儀には、ピリオディックモーションを学習させて電気的に動きを補正するPEC機能があります。 PEC機能を使うには、初めにウォームギア1周分のピリオディックモーションをコントローラーに記憶させる必要がありますが、 上手く使えばピリオディックモーションの改善が期待できます。 実際にどの程度改善されるのか、PEC機能をオンにして、ピリオディックモーションを測定してみました。

その結果は、下の画像の通り、ピリオディックモーションは、±4秒程度に改善されました。 PEC機能を使えば、焦点距離の短い光学系なら、ノータッチガイドでも撮影を楽むことができそうです。 なお、下の画像は星の軌跡が途切れがちになっていますが、これは撮影中に薄雲が通過したためです。

ロスマンディー G11 赤道儀

※ピリオディックモーションとは: 赤道儀はギアで駆動しているため、ギアの機械的誤差により、赤道儀が動く間にある程度の進み遅れが生じます。 これがピリオディックモーションという現象で、この進み遅れが小さいほど高精度と考えられています。


ロスマンディー G11S 赤道儀を使って天体撮影

G11S赤道儀を郊外に持ち出して、実際に星空を撮影してみました。 使用した天体望遠鏡は、天体写真ファンに人気の高いタカハシTOA-130望遠鏡です。 タカハシTOA-130の本体重量は約12キロですが、プレートや鏡筒バンド、ガイド鏡等を合わせると、 16キロ程度になります。 これに、重さ約1.4キロのフルサイズ冷却デジタルカメラ、Astro6Dを取り付けて撮影を行いました。

下は、赤道儀にTOA130望遠鏡と撮影機材一式を搭載した状態です。 写真では、TOA130望遠鏡が大きく、トップヘビーに感じられますが、赤道儀の搭載重量に余裕があるため、 安心してTOA130を載せることができました。 なお、バランスウェイトは、標準付属の約10キロのウェイトだけでは足りなかったため、 3キロウェイトをシャフトの端に追加して、極軸周りのバランスを取っています。

ロスマンディー G11 赤道儀

撮影を開始する前に、電子極軸望遠鏡Pole Masterを使って極軸を正確に合わせました。 次に、電源を入れて、ハーフクランプ状態にし、ファンダーを覗きながら目標天体を導入しました。 G11S赤道儀のフリーストップ機能は、天体導入に大変便利で、スムーズに目的の天体を導入することができました。

オートガイダーには、M-GENスーパーガイダーを用いましたが、途中、 雲が通過してオートガイダーが星を見失った時以外は、ガイドエラー量も少なく、 順調にオートガイド撮影を行うことができました。 下は、ガイド中のM-GENの液晶モニターに表示されたガイドグラフです。 ガイドは安定しており、 G11S赤道儀のオートガイドとの相性の良さを感じました。

ロスマンディー G11 赤道儀

この夜は、はくちょう座の北アメリカ星雲から撮影を開始し、 ケフェウス座のIC1396星雲→アンドロメダ大銀河→スバルの4対象を、 G11S赤道儀を使って撮影しました。

下の画像は、この夜に撮影したIC1396の画像です。 ISO1600、360秒露光で撮影した8枚の画像をコンポジットして、一枚の写真に仕上げています。 右側の部分拡大画像をご覧いただくと、 星が真円を保って写っていることがわかります。

ロスマンディー G11 赤道儀

観望用にも使いやすいフリーストップ機能

今回は、天体撮影メインで G11S赤道儀のテストを行いましたが、 撮影の前に、TOA130望遠鏡に広角アイピースを取り付け、 亜鈴星雲や散開星団をはじめとした、いくつかの有名天体を観望しました。

自動導入装置が付いた赤道儀と異なり、 G11S赤道儀の場合は、 ユーザー自らが望遠鏡を動かして導入しなければなりませんが、 手を離したところで天体望遠鏡が固定され、恒星時追尾が行われるフリーストップ機能は大変便利で、 天体望遠鏡を気ままに振り回す楽しさを再発見することができました。

G11S赤道儀は、天体撮影用だけでなく、天体望遠鏡を赤道儀に載せ、 自由に天体観望を楽しみたいというユーザーにも使いやすい機材だと感じました。


ロスマンディー G11S赤道儀の印象

G11S赤道儀を使用した印象や、上記で記載できなかった内容を箇条書きで列挙しました。

・外見からは細身の印象を受けるG11赤道儀だが、基本的な強度は高く、 今回のテストのように、大きくて重いタカハシTOA130でもしっかりと支えることができた。

・丸パイプ二段伸縮脚は、石突は装備されていないが、強度は高く、安定感のある三脚だ。 重いが、折りたたむとコンパクトになり、レバーのワンタッチで脚を開いて固定できるので、 ピラー脚ほど設置に手間が取られない点は助かる。

G11S赤道儀にはオプションで極軸望遠鏡が用意されているが、極軸望遠鏡自体は覗きやすいものの、 スケールパターン上の北極星の導入位置が広いため、 本格的な天体撮影目的であれば、Pole Masterを使用した方がよいと感じた。

・極軸設定時に使用する、水平・垂直微動の動きはスムーズだ。 ただ、水平微動にはノブつきの固定クランプが用意されているが、 垂直微動のクランプを締めるには、六角レンチが必要だ。 なお、赤道儀本体の座面と赤緯体に、水準器が内蔵されている。

ロスマンディー G11 赤道儀

・モーターコントローラーユニット(上写真)は、赤道儀の脚部に固定して使用するが、 表示が簡潔でわかりやすく、暗闇でもモーター速度などの設定を確認しやすい。 電源入力やオートガイド用の端子も、このユニットに装備されている。

・赤緯・赤経モーターが赤道儀の外側に出っ張っているため、撮影中に望遠鏡と干渉しないか心配したが、 赤道儀の東側に取り付けられているため、東から昇ってくる天体を撮影した場合、子午線を超えても撮影を続けることができた。 北半球で使用する分には影響がないと思われる。

・赤経、赤緯の回転軸には、刻印された大型の目盛環が装備されている。 バーニヤも刻印されているので、精度よく座標を読み取ることができる。 最近の赤道儀には目盛環が省かれることが多いが、 ロングセラーの赤道儀だけあって、基本に忠実な製造者の姿勢を感じられる。

G11S赤道儀の本体重量は18キロと重いが、細身で所々に手を掛けるところがあるので、 案外、持ちやすかった。 また、三脚への取り付けも、3箇所のネジと溝の部分を合わせてはめ込み、ネジ止めするだけなので、 簡単かつ確実に取り付けることができた。


まとめ

今回、 G11S赤道儀を天体撮影に使用してみて、ロングセラーの人気に裏付けられた使い勝手の良さと 信頼性を確認することができました。 また、精度や操作性だけでなく、黒色アルマイト加工されたボディには、 日本製の赤道儀にはない格好良さもあり、持つ喜びを感じさせてくれる機材だと感じました。

今回、使用した G11S赤道儀には自動導入機能が付けられていませんが、 クオリティの高い作品を生み出すには、何枚も同じ対象を撮り続ける必要があり、 一晩で1~2対象ということも珍しくありません。 そのような一対象をじっくり撮影するという用途に、 G11S赤道儀は適しているのではないでしょうか。

今回のテストに使用したタカハシTOA-130ε-180EDは、大きく重いため、 「EM-200赤道儀では少々不安だが、かと言って、EM-400赤道儀では大きすぎる」というユーザーの声をお聞きします。 G11S赤道儀はちょうどその要望に合う大きさ、強度を持った赤道儀だと感じました。 EM-200より、もう少し搭載重量に余裕がある赤道儀が欲しいという方に、 お勧めできる機材の一つだと思います。

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ビクセン AP-WM追尾撮影スターターセットのインプレッション

KYOEIオリジナル AP-WM追尾撮影スターターセットのインプレッション

KYOEIオリジナル AP-WM追尾撮影スターターセット

「KYOEIオリジナル AP-WM追尾撮影スターターセット」は、 ビクセンAP赤道儀に、天体撮影に必要なパーツを組み合わせたセットです。 今回、このスターターセットに、小型オートガイダーの「MGEN-75GSSアルカセット」を組み合わせて天体撮影を行う機会を得ましたので、 AP赤道儀の追尾精度やスターターセットの概略を交えながら、機材の使用感をまとめました。


ビクセンAP赤道儀と、KYOEI AP-WM追尾撮影スターターセットについて

AP-WM追尾撮影スターターセットは、天体写真撮影に必要なパーツを組み合わせた、KYOEIのオリジナル商品です。 ビクセンAP赤道儀本体に加えて、天体撮影に必要な赤経・赤緯の両軸モーター、 APP-TL130三脚極軸望遠鏡、それにアリガタプレート等が付属しています。 あとはオートガイダーさえ用意すれば、天体望遠鏡や望遠レンズを載せてオートガイド撮影を行うことができるセットになっています。

ビクセンAP赤道儀は、2014年末に発売開始されたモデルです。 モジュール構造が採用されているのが特徴で、ユーザーが目的に合わせて必要なパーツを組み合わせ、 様々なパターンで使用することができます。

KYOEIオリジナル AP-WM追尾撮影スターターセット

セットに付属する極軸望遠鏡は、ビクセン社の製品ではなく、KYOEIオリジナルとして発売されているK-Astec製です。 極軸望遠鏡の赤道儀への取り付けは、ユーザー自身で行います。極軸望遠鏡を赤道儀にねじ込んだ後、 付属のマニュアルに従って、赤道儀の回転軸と極軸望遠鏡のスケールの位置を合わせておきましょう。 なお、極軸望遠鏡のスケールパターンは、タカハシEM-11赤道儀と同様の、時角計算が必要なタイプです。 スマートフォンやタブレット用の極軸合わせ支援アプリを使うと、スムーズに極軸合わせを行うことができます。


AP赤道儀の使い心地

AP-WM追尾撮影スターターセットを使って、夏の星雲や星団を観望してみました。 まず、南天で輝くいて座の干潟星雲を視野に導入し、 次に付属のSTARBOOK ONEコントローラーを使って、三裂星雲、M17星雲、M16星雲を導入しました。 視野の移動には、主に恒星時60倍速を使用しましたが、 モーターの動きはスムーズで、快適に観望を楽しむことができました。

上位機種と異なり、AP赤道儀は自動導入機能には対応していません。 目標天体を視野に導入する際は、まずクランプフリーで天体望遠鏡の方向をおおよそ合わせ、 その後、STARBOOK ONEの方向キーを使って微調整します。 以前、レビューで使用したビクセンGP2赤道儀の場合は、最高で恒星時16倍速まででしたが、 AP赤道儀では恒星時60倍速で赤道儀をモーター駆動することができ、 目標天体の導入性能が向上しています。

KYOEIオリジナル AP-WM追尾撮影スターターセット

AP赤道儀の電源には、単三乾電池4本、または、USB出力付外部電源を使用することができます。 今回の天体観望では、スマートフォン充電用のUSBモバイルバッテリーを使用しました。 赤道儀動作時の消費電流を、USB 簡易電圧・電流チェッカーを使って計測してみたところ、 恒星時追尾で 5V0.31A、恒星時60倍速で両軸モーターを同時駆動させている時でも 5V0.57Aと、 自動導入機能のある同社のSXP赤道儀(12V0.45~2.2A前後)に比べて省電力でした。


AP赤道儀の追尾精度

オートガイダーを使った天体撮影が主流になりましたが、 赤道儀の追尾精度は天体写真ファンにとって大変気になる点です。 そこでAP赤道儀のピリオディックモーションをウォームギア1周期分(約10分間)撮影し、 実測してみました。

KYOEIオリジナル AP-WM追尾撮影スターターセット

撮影した結果は、上の画像の通りで、比較に用いた重星アルビレオの離隔(約35秒)から計算すると、 AP赤道儀のPEモーションは±12秒程度となります。 一般的にこのクラスの赤道儀では±15秒前後の場合が多いので、 このAP赤道儀のモーション量は標準的な基準をクリアしていると言えるでしょう。 ウォームホイルの他の部分でも実測してみましたが、いずれも同じような結果が得られました。

また、STARBOOK ONEコントローラーには、 ピリオディックモーションを学習させて電気的に動きを補正するPEC機能があります。 PEC機能を使うには、初めにウォームギア1周分のピリオディックモーションをコントローラーに記憶させる必要がありますが、 上手く使えば追尾精度をより向上させることができるでしょう。

※ピリオディックモーションとは:
赤道儀はギアで駆動しているため、ギアの機械的誤差で赤道儀が動く間にある程度の進み遅れが生じます。 これがピリオディックモーションという現象で、この進み遅れが小さいほど高精度な追尾が可能となります。


AP-WM追尾撮影スターターセットを使っての天体撮影

AP-WM追尾撮影スターターセットを郊外に持ち出して、実際に天体を撮影してみました。 使用した光学系は、天体写真ファンの間で評価の高いコーワのテレフォトレンズ「PROMINAR 500mmF5.6FL」です。 カメラは、キヤノンEOS6Dを冷却改造したAstro6Dを使い、鏡筒バンドの上に、 小型オートガイダーのMGEN-75GSSアルカセットを取り付けました。 下の写真はこれらの機材で撮影している様子ですが、赤道儀の極軸周りのバランスを取るためには、 スターターセットに含まれている1kgのバランスウェイトでは足りず、別途1.9キロのウェイトが必要でした。

KYOEIオリジナル AP-WM追尾撮影スターターセット

今回のテスト撮影の対象には、天頂付近で輝く、はくちょう座の北アメリカ星雲を選びました。 まずK-ASTEC製の極軸望遠鏡を使用して極軸を合わせ、赤道儀の電源を入れた後、 クランプフリーにして、はくちょう座の一等星デネブを視野の中央に導入しました。 その後、STARBOOK ONEコントローラーを使って、赤道儀を恒星時30倍速で動かし、 北アメリカ星雲を視野内に導入しました。

構図を決めた後、オートガイド撮影を行うために、M-GENオートガイダーのキャリブレーションを実施しました。 キャリブレーション時の動作に問題はなく、一度でキャリブレーションを成功させることができました。 なお、MGEN-75GSSアルカセットのピントは、撮影前に自宅でピントを合わせて、 ピントリングをテープで固定しておきました。 M-GENコントローラーの液晶画面は階調数が少なく、ピンボケの画像は確認しづらいという問題があります。 現地でスムーズに撮影できるように、事前にアルカセットのピント合わせを行っておくのがよいでしょう。

下は、今回、撮影した画像です。 MGEN-75GSSアルカセットには、焦点距離が75ミリと短いレンズが付属していますが、 画像を拡大してもガイド流れは発生していません。 天候の関係で合計4枚しか撮影できませんでしたが、 ガイドミスは皆無で、この撮影システムの安定性を感じました。

KYOEIオリジナル AP-WM追尾撮影スターターセット

なお、この北アメリカ星雲は、ダーク・フラット補正は行わず、コントラストを軽く調整しただけの画像です。 気温28度前後の撮影環境でしたが、Astro6Dには冷却ユニットが取り付けられており、 撮影画像にノイズは目立ちませんでした。


オートガイド撮影時の消費電流

Astro6Dの冷却ユニットの電源用としてはDC12Vのカーバッテリーを用意しましたが、 AP赤道儀M-GENオートガイダーには、容量22400mAのUSBモバイルバッテリー1台から電気を供給しました。 観望時と同じように、オートガイド撮影時の消費電流を簡易USBテスターを使って計測してみました。

KYOEIオリジナル AP-WM追尾撮影スターターセット

上の画像は撮影中の様子です。 左側にSTARBOOK ONEコントローラー、中央にUSBモバイルバッテリー、そして右側にM-GENのコントローラーが写っています。 モバイルバッテリーに取り付けたUSB簡易電圧・電流チェッカーの表示をご覧いただくと、 AP赤道儀で0.32A、M-GENオートガイダーで0.25A消費していることがわかります。 どちらも消費電流が非常に少なく、モバイルバッテリー1台で一晩中使用することが可能でした。


今回の観望や撮影で気づいた点

AP-WM追尾撮影スターターセットを使用して気付いた点を、以下にまとめました。

・ビクセンAP赤道儀は、フリーストップの使い勝手を重視していますが、 クランプを締めると見た目以上にしっかり固定され、今回のような機材を載せてもガタは発生しませんでした。

AP赤道儀の赤緯軸周りは、極軸と比べるとクランプフリーの動きがやや固く、軽い機材を載せている時は、 鏡筒の前後の微妙なバランスが取りにくいと感じました。

・STARBOOK ONEコントローラーには自動導入機能はありませんが、その分操作がシンプルで、 初めての使用でもすぐに操作に慣れることができました。 また、目的天体の導入には恒星時60倍速、写真の構図合わせには恒星時30倍速の利用が便利でした。

AP赤道儀には自動導入機能がありませんので、赤緯・赤経軸に、 ファインダーでは見えない暗い天体を導入する際に便利な目盛環を装備してほしいと思いました。

APP-TL130三脚は、縮めた時の長さが60センチ弱と短いので車のトランクにも入れやすく、 また、AP赤道儀を載せるには十分な強度があり、使い勝手の良いバランスのとれた製品だと感じました。

MGEN-75GSSアルカセットは、焦点距離が短いにも関わらず、問題なく350ミリのオートガイド撮影を行うことができました。 小型軽量のオートガイダーは、AP赤道儀にも使いやすい大きさだと感じました。

・USBモバイルバッテリーを赤道儀やオートガイダーの電源として使用できるのは大変便利でした。 消費電力のテスト結果を考えると、今回使用したUSBバッテリーであれば、2晩は持ちそうです。


まとめ

今回、AP-WM追尾撮影スターターセットを使った天体観望と撮影を通じて、ビクセンAP赤道儀の使い勝手の良さを確認できました。 軽量でコンパクトな赤道儀は、ちょっとした機会でも気軽に天体観望してみようという気にさせてくれるでしょう。 また、赤道儀の電源として、広く流通しているUSBモバイルバッテリーが使える点も便利です。

天体撮影では、本格的な天体撮影にも使用されているコーワテレフォトレンズと、 重い冷却ユニットが取り付けられたAstro6Dを使いましたが、ガイドエラーも発生せず、 この組み合わせで十分撮影を行えるという印象を持ちました。 機材をセットアップした外観も安定感が感じられ、デザイン的にもバランスの良い組み合わせだと思いました。

最近、ベテラン天文ファンを中心に、海外遠征用の機材として、 小型軽量で信頼性の高い二軸モーター付赤道儀の要望が高まっていますが、 このAP-WM追尾撮影スターターセットは、理想的な組み合わせの一つになり得ると感じました。 これから本格的に天体写真を始めようという方の最初の赤道儀セットとしてはもちろん、 ベテランの方のサブ機材としてもお薦めの一台だと思います。




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レビュー著者 吉田隆行氏のサイトはこちら→天体写真の世界

Lacerta M-GEN オートガイダーのインプレッション

Lacerta M-GEN オートガイダーのインプレッション

Lacerta M-GEN オートガイダー

Lacerta M-GENオートガイダーは、高感度のソニー製モノクロCCDチップを用いたスタンドアローン型のオートガイダーです。 今回、M-GENオートガイダーを使用して天体を撮影する機会を得ましたので、 機器の概要と操作方法をご紹介しながら、オートガイダーの使用感や性能をまとめました。


M-GEN オートガイダーの外観と概要

M-GENオートガイダーは、ハンドコントローラーとガイドカメラで構成されています。 その他に、ハンドコントローラーとガイドカメラを繋ぐケーブル、 コントローラーと赤道儀を接続するオートガイドケーブル、そしてDC12V用電源ケーブルが付属しています。

初めてM-GENオートガイダーを手にしたとき、コンパクトで軽量という印象をまず持ちました。 ハンドコントローラーに設けられたファンクションボタンは、 十字に配置された矢印ボタンとESCボタン、それにSETボタンというシンプルな構成です。 高機能なコントローラーと比べると、若干物足りなく感じられるかもしれません。

ハンドコントローラーの底部

ハンドコントローラーの底部には、上写真のように、各種ケーブルを接続するコネクタが設けられています。 左から「デジタル一眼レフカメラのシャッターを制御するためのカメラジャック」、 「ガイドカメラ用コネクタ」、「電源ジャック」、「オートガイドケーブルを接続するコネクタ」、 そして「パソコンを繋ぐためのUSBコネクタ」です。 コネクタの端子形状がそれぞれ異なっていますので、暗闇でも接続を間違える心配はないでしょう。

ガイド状況を監視するCCDは、円柱形をしたガイドカメラ内に固定されています。 CCDには、ピクセルサイズが4.85×4.65(μm)のソニー製「ICX276AL-E」CCDチップが用いられています。 総画素数は約43万画素と少ないですが、オートガイドの用途には十分な画素数です。 実際、テスト撮影中、画素数が少ないために困ることはありませんでした。

Lacerta M-GENのガイドチップ

ガイドカメラの内側には、Tネジが切られています。 今回はminiBORG50をガイド鏡として使用しましたので、 望遠鏡接眼部に取り付けられた「M57→M36.4アダプター(7522)」のTネジ部分にガイドカメラを直接ねじ込みました。


シンプルなインターフェース

M-GENオートガイダーの全ての機能は、ハンドコントローラーに設けられた液晶モニターに表示されます。 液晶モニターは、128×64ドットと解像度は低いですが、 オレンジ色の表示の視認性は良好で、暗闇で眩しすぎることもありませんでした。

Lacerta M-GENの液晶モニター

ESCキーを押してM-GENオートガイダーを起動すると、ファームウェアの表示とファイル名の設定に続いて、 メインメニューが表示されます。 メインメニューは、「Exposure」、「Guiding」、「Random Displacement」の3つのサブメニューに大きく分けられています。 また、3つのサブメニューの他に、各種設定を行う「misc」と電源を切るための「Power Off」が設けられています。 以下、3つのサブメニューの機能について、ご紹介します。

「Exposure」は、デジタル一眼レフカメラの長時間露出を制御する機能です。 露出時間とインターバルの間隔、撮影枚数を設定することができ、 タイマーリモートコントローラーと同様の操作が可能です。 また、ミラーアップに対応したデジタル一眼レフカメラを接続すれば、 ミラーアップした後の連続撮影にも対応できます。 なお、M-GENオートガイダーとの接続ケーブル(別売)が用意されているのは、 キヤノン製とニコン製のデジタル一眼レフカメラとなっています。

Lacerta M-GENの液晶モニター

「Guiding」メニューでは、オートガイド全般の操作を行います。 Guidingは、M-GENオートガイダーの要となる機能で、 ガイド鏡のピント合わせに使用するライブビューをはじめ、赤緯・赤経の反応係数の変更など、様々な設定が可能です。 パソコンを使用したオートガイダーで設定可能な機能は、ほぼ全て網羅されています。 ここでは、基本的なオートガイドの操作方法をご紹介します。

「Guiding」メニューに入ると、下の画面が現れます。 まずGuider Setupで、使用するガイド鏡の焦点距離と赤道儀の修正速度を設定します。 設定内容は、一度入力すれば本体に記憶されるので、同じガイド鏡と赤道儀を用いる場合は再設定する必要はありません。

Lacerta M-GENの液晶モニター

続いてLive View画面で、CCDチップに映っている星を表示させて、ガイド鏡のピントを合わせます。 星が暗くて見づらい場合は、露出時間(exp)を延ばすとよいでしょう。 ゲイン(gain)を上げるとカメラの感度が上がりますが、 同時にノイズが増えて画面が見づらくなりますのでご注意ください。

ガイド鏡のピントが合ったら、StarSearchを実施します。 StarSearchでは、CCDチップ上に写っている星を画面に表示し、自動的に明るい星をガイド星として選んでくれます。 ガイド鏡の視野内にオートガイドに使用できる明るい星がない場合は「No Stars」と表示されますので、 露出時間を変更して再度実施してみましょう。

Lacerta M-GENの液晶モニター

ガイド星が見つかったら、オートガイド画面へ移りましょう。 Current guidingを選択してオートガイドの設定画面を表示し、キャリブレーションを行います。 キャリブレーションはマニュアルでも可能ですが、自動で行うのが簡単でお勧めです。 キャリブレーション中は、コントローラーの矢印ボタンのLEDが光り、補正信号を赤道儀に伝達中であることがわかります。 キャリブレーションが成功したら、オートガイドを開始しましょう。

下は実際のオートガイド中の画面です。 画面左の枠の中に、ガイド星が表示されています。 画面右上には、露出時間(exp)等の各種設定情報が表示されています。 「AG Stop」という部分にカーソルを合わせてSetボタンを押すと、オートガイドを停止することができます。

なお、Current guidingは、5つの画面に分かれています。 画面右下の「pg 1/5」という部分にカーソルを移動してページをめくると、 キャリブレーション設定画面やオートガイドの反応係数を設定する画面に移動します。 また、ガイド星が表示されている枠の部分もガイドエラーの状況を示すグラフに変更することが可能です。

Lacerta M-GENの液晶モニター

最後に、メインメニューの「Random Displacement」をご紹介します。 この機能を使用するには、ハンドコントローラーとデジタル一眼レフカメラを接続して、 「Exposure」機能を使ってシャッターを制御する必要があります。

「Random Displacement」を使用すると、一コマ撮影が終わるごとにガイド星を若干移動させてから、 新たな位置でオートガイドを実行します。 具体的には、撮影画像ごとに数ピクセル程度、構図をずらして撮影していくイメージです。 デジカメのノイズは同じピクセルに発生しやすいため、 この機能を使用することによって、最終的に画像をコンポジットした際のノイズを平均化することができます。


M-GENオートガイダーでオートガイド撮影

M-GENオートガイダーを郊外に持ち出し、実際にオートガイド撮影に使用してみました。 今回使用した機材は、焦点距離350mmの天体望遠鏡とAstro60Dデジタル一眼レフカメラ、ビクセンSXP赤道儀です。 M-GENオートガイダーのガイド鏡には、miniBORG50を使用しました。

Lacerta M-GENの液晶モニター

撮影テストではオートガイドの動作をまず確認しました。 デジカメの感度をISO1600、露出時間480秒に設定して、位置の異なる天体を20枚程度撮影しましたが、 ガイド補正信号は赤道儀に的確に伝達され、写った星に流れはありませんでした。

次に、M-GENオートガイダーに使われているCCDチップの感度を確認しました。 パソコンを必要とするオートガイダー(QHY5L-Ⅱ等)に比べ、スタンドアローン型のオートガイダーは一般的に感度が低く、 ガイド星を探すため、撮影対象ごとにガイド鏡の方向を調整する必要があります。 しかし、M-GENオートガイダーには、感度の高いソニー製モノクロCCDが使われているため、 ガイド鏡を固定した状態でガイド星が見つかるか、位置の異なる天体を撮影することで検証してみました。

Lacerta M-GENの液晶モニター

まず、秋から冬の天体として、 カリフォルニア星雲、すばる、オリオン大星雲、M78星雲、バラ星雲、わし星雲を撮影しました。 上が今回撮影した写真の一覧です。 どの対象も天の川銀河に近く、周囲にたくさんの星がありますが、 短時間露出でも数多くの星がライブビューで表示され、CCD感度の高さを感じることができました。 最終的に、M-GENオートガイダーの露出時間を0.5秒(500ms)に設定し、オートガイド撮影を行いました。 どの天体を撮影する場合でも、ガイド鏡固定で問題なくガイド星を見つけることができました。

Lacerta M-GENの液晶モニター

次に周囲の星が少なく、ガイド星が見つかりにくい春の銀河として、 M81銀河とM82銀河、しし座の三銀河、ソンブレロ銀河を撮影しました。 こちらは、露出時間0.5秒ではガイド星が見つからない対象があったため、 露出時間を1秒(1000ms)に延ばしたところ、全ての対象でガイド鏡固定でガイド星が見つかりました。

M-GENオートガイダーで設定できる最大の露出時間、4秒(4000ms)です。 上記の撮影テストの結果から考えて、miniBORG50程度の集光力のある天体望遠鏡をガイド鏡に使用すれば、 ガイド鏡を固定した状態で、ほぼ全ての対象でガイド星を見つけることができると思われます。


M-GENオートガイダーの印象

M-GENオートガイダーを使用した印象や、上記で触れなかった内容を以下に箇条書きで列挙しました。

・実地テストでは、焦点距離350ミリという短めの撮影鏡筒を使用したので、後日、 ヘラクレス赤道儀にTOA130望遠鏡(焦点距離約700mm)とminiBORG50ガイド鏡を載せて、M-GENオートガイダーのテストを実施した。 300秒露出で4枚撮影したが、撮影結果は良好であったので、 700mm程度の焦点距離の撮影にも使用できる精度があると考えられる。

・オートガイドの設定画面では、ガイド信号の反応係数等を赤緯・赤経独自に設定することが可能。 赤経のみの一軸ガイドにも対応しているので、オートガイド対応のポータブル赤道儀にも使用できるとのこと。

・オートガイダーに用いられているCCDの感度が高いので、ガイド鏡固定でガイド星が見つか点は大変便利。 スタンドアローン型なので、ノートパソコンが不要であるのも利点。

・コントローラーの液晶画面が小さく、スターブックTENなどの高機能コントローラーと比べるとやや見劣りがする。 また、カメラのゲインを大きくしすぎると、フォーカス画面にノイズが映し出され、 ガイド星が判別しづらくなる点は残念。

・制御ソフトウェアをパソコンにインストール後、コントローラーとパソコンをUSBケーブルで接続すれば、 パソコンからでも操作可能。

・液晶画面が小さい分、消費電力が極めて小さい。 電源確保が難しい郊外で使用する場合は大変ありがたい。

・撮影ごとにピクセルをずらす「Random Displacement」は、 コンポジット後の画像のクオリティを上げるのに有効な機能。 デジタル一眼レフカメラを制御する「Exposure」機能と組み合わせれば、 撮影終了までオートガイダー任せで撮影することができる。


まとめ

今回のテスト撮影を通じて、Lacerta M-GENオートガイダーは、シンプルなコントローラーながら、 反応係数の設定やガイド状況のグラフ表示など、 ベテランでも満足できる機能が盛り込まれたスタンドアローン型オートガイダーであるという印象を受けました。

また、ガイド用CCDのチップの感度の高さも特筆すべき点です。 ガイドマウントを使用してガイド星を探していた方にとって、 その作業から解放されるだけでも、このオートガイダーを導入するメリットがあるのではないでしょうか。

撮影地にパソコンを持ち出したくないユーザーや、 これからオートガイド撮影を始めてみようと考えている方にも、 選択肢の一つとしてお勧めできるオートガイダーだと思います。

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※KYOEI追記

このレビューは、M-GENの販売検討のため2015年1月に実施したテストレポートをそのまま記事としたものです。コントローラ液晶画面の解像度が低いため、ライブビューにおいて星とノイズの判別がしにくく、ガイド星のピント合わせにややコツが必要なことがわかりました。また、その点さえクリアすればオートガイダーとしての性能は非常に高いこともわかりました。

→そこで、、、
ガイド星のピント合わせなど初期の導入に戸惑わない「GSSセット」をご用意させて頂いております。ガイド鏡には距離指標とピントロックねじを備えたコーワ製のCマウントレンズを採用し、セットごとに取扱説明書でピント位置の目安も明示しましたのでセッティングが容易です。





LACERTA M-GEN スーパーガイダー
LACERTA M-GEN スーパーガイダー LACERTA M-GEN スーパーガイダー
LACERTA M-GEN スーパーガイダー LACERTA M-GEN スーパーガイダー

◎バリエーション
75mmまたは100mmのレンズを用いた2バージョンをご用意。更にそれぞれに、設置に便利なアルカスイス規格のプレート&クランプを追加した「アルカセット」を設定。アルカセットがおすすめです。
◎ご購入ガイド
MGEN-75GSSアルカ・・・2000mm程度の直焦点にまで対応しますので一般的なご使用には充分な性能です。
MGEN-100GSSアルカ・・・より長焦点なタイプです。強固に設置できるオプション「SR42」を選択できます。



AP-WM追尾撮影スターターセットとMGEN-75GSSアルカセットを使ったテストレポートです!


レビュー著者 吉田隆行氏のサイトはこちら→天体写真の世界

Explore Scientific ED102WH鏡筒のインプレッション

Explore Scientific ED102WH鏡筒のインプレッション

Explore Scientific ED102WH鏡筒

Explore Scientific社は、天体観望ファンに人気のあるメーカーで、 コストパフォーマンスの高い超広角アイピースや天体望遠鏡を製造しています。 今回、Explore Scientific ED102WHを試用する機会を得ましたので、 星空を観望した印象を交えながら、望遠鏡の使用感をまとめてみました。


Explore Scientific ED102WHの外観と各部

Explore Scientific ED102WHは、口径102mm、焦点距離714mm、口径比がF7のアポクロマート屈折望遠鏡です。 対物レンズには、EDレンズを含んだトリプレット光学系が採用され、 諸収差を補正しています。 ED102WH鏡筒には、伸縮式のフードが採用されているため、 10センチクラスの屈折望遠鏡にしてはコンパクトというのが、箱を開けたときの第一印象でした。 フードを縮めたときの長さは約55cmと、一クラス下の8センチクラスの鏡筒並です。 手元にあったビクセンED103S鏡筒と比べると、そのコンパクトさが一段と際だちました(下画像参照)。 このぐらいの大きさならば、収納場所にも困らないでしょう。

Explore Scientific ED102WH鏡筒

ED102WHの前後分離式の鏡筒バンドには、持ち運びに便利な取っ手が取り付けられています。 鏡筒バンド下面には、汎用のアリガタ金具が固定されていて、 市販の赤道儀(ビクセンSXD2赤道儀など)にワンタッチで取り付けることが可能です。
望遠鏡を箱から取り出してまず目に留まるのは、フードの中の大きな対物レンズセルです。 鏡筒部分が細いこともあって、対物レンズを入れたレンズセルは大変目立ちます。 対物レンズキャップを外すと、ED102WHの心臓部とも言える3枚玉レンズが姿を現しました。 間近に見る口径102mmのレンズは存在感のある大きさで、星空観望への期待が膨らみます。
なお、レンズセルの外側には、光軸修正用のネジが設けられているので、ユーザーによる光軸調整も可能です。 ただし、届けられた時点で光軸は完全に合っていましたので、通常の用途であればユーザー側で調整する必要はないでしょう。

Explore Scientific ED102WH鏡筒

アイピース等を取り付ける接眼部には、ラック&ピニオン式フォーカサーが採用されています。接眼装置には、減速微動装置が標準で付属していて、正確なピント合わせを支援してくれます。 また、このフォーカサーの動きは軽く滑らかで、クレイフォード式のフォーカサーのようなフィーリングです。 繰り出し機構に採用されているヘリカル形状のギアが、このスムーズな動きを生み出しているのでしょう。 フォーカサーの動きは軽快ですが、接眼部上部に設けられているドロチューブ固定用の2本のネジを締めると、 ドロチューブはしっかりと固定されます。 実際に双眼装置のような重い機材を取り付けて観望してみましたが、 機材の重みでドロチューブがズレ落ちることはありませんでした。

Explore Scientific ED102WH鏡筒

ED102WHの接眼部には、回転装置も設けられています。 フォーカサーと鏡筒部分の境目にあるネジを緩めると、接眼部を回転させることができます。 接眼部の向きを変えたりする時に便利な回転機構です。 ED102WHには、天体観望に便利な、2インチ-31.7mm変換アダプター付の2インチ天頂ミラーが標準で付属します。 一方、ファインダーはオプションとなっていて、通常の8倍50mmのタイプの他に、 照明装置が付いた正立8倍50mmタイプと、90度傾斜型の正立8倍50mmタイプを選択できます。

Explore Scientific ED102WH鏡筒

Explore Scientific ED102WH を使った観望

Explore Scientific ED102WH望遠鏡を赤道儀に載せて、天体観望を行いました。 最初は、夏の天の川の中で輝く星雲の観望です。 付属している2インチ天頂ミラーに、同社の視野68度タイプの低倍率の40ミリアイピースを取り付けて観望しました。 この組み合わせでは、倍率は約18倍になります。 天の川の方向に望遠鏡を向けると、針で突いたような微恒星が視野一杯に広がりました。 干潟星雲を視野に入れると、微恒星の中に淡いガスが浮かんでいるように見え、気持ちの良い眺めを楽しめました。 主要な星雲を観望した後、倍率を上げ、M22をはじめとした球状星団を観望しました。 星は隅までシャープで、中央部にはボール状に集まった星々がよく分解されていました。 輝星を視野に入れると、若干の色収差を感じることがありましたが、観望で気になるほどではありませんでした。 なお、ED102WHに天頂ミラーを使用する際には、付属の延長筒をドロチューブにねじ込む必要があります。

Explore Scientific ED102WH鏡筒

次に月を観望しました。 まず、月の全景を視野に入れ、月面全体の様子を確認しましたが、 屈折望遠鏡らしいコントラストの高い像で、色収差もほとんど感じられません。 更にアイピースを変えて、約150倍で月面クレーターを観望しました。 こちらもコントラストは良好で、クレーターや山脈の凹凸がよくわかります。 なお、月の欠け際を見ると、若干色収差が感じられました。 月を観望した後、南西の空で輝く土星も観望しました。 見頃を過ぎているため、土星の見かけの大きさは小さく、また暗くなっていましたが、 土星の環がよくわかりました。 入門機で人気の8センチクラスの望遠鏡と比べると、ED102WHは光量があるため、 このような惑星の観望も楽しむことができます。 ところで、ED102WHはバックフォーカスに余裕がある設計のため、 90度傾斜型の双眼装置を取り付けることが可能です。 上の写真では、バーダープラネタリウム社の双眼装置を取り付けていますが、 その他の機器も取り付け可能でしょう。 Explore ScientificED102WHは、双眼で星空を楽しみたい天文ファンにとって、 魅力的な光学系の一つではないでしょうか。


ED102WHで天体写真撮影

ED102WHは広角アイピースで人気を博している米Explore Scientific社製品であり、 どちらかというと観望用に製造された望遠鏡だと思いますが、 今回、笠井トレーディングED屈折用0.8倍レデューサーを使用して、 天体写真の撮影テストを行ってみました。 この組み合わせでは、ED102WHは焦点距離が約570mm、F値が5.6の光学系となります。 レデューサーの後ろにカメラマウントを取り付け、 天体撮影用デジタル一眼レフカメラのAstro60Dで撮影を行いました。 赤道儀には、ビクセンSXP赤道儀を使用しました。 下の写真は、この組み合わせで撮影した亜鈴星雲 M27です。 デジタルカメラの感度をISO1600に設定し、600秒露出で撮影しました。 写り具合がよくわかるように、カラーバランスを合わせただけの一枚画像を載せています。 全体画像の下に、星雲部分をトリミングした拡大画像も載せました。

Explore Scientific ED102WH鏡筒

Explore Scientific ED102WH鏡筒

撮影画像を見ると、亜鈴星雲の形がはっきり写し出されているのがわかります。 画像をよく見ると輝星の周りに青色にじみが若干発生していますが、 背景の星々はシャープで、コントラストも良好です。 下に、上の画像を各部分ごとにトリミングした拡大画像を載せました。 拡大画像を見ると、四隅でも星の形がほぼ円形を保っていることがわかります。 四隅でも光量は豊富で、周辺減光はほとんど目立ちませんでした。

下に、上の画像を各部分ごとにトリミングした拡大画像を載せました。 拡大画像をご覧いただくと、四隅でも星の形がほぼ円形を保っていることがわかります。 周辺光量が豊富なこともこの光学系の強みです。 空の条件にもよりますが、フラット補正を行わなくても天体写真の作品作りを楽しめそうです。

Explore Scientific ED102WH鏡筒

まとめ

Explore Scientific ED102WH望遠鏡は、同社の超広角アイピースを使って、 夜空に浮かぶ星雲・星団や月・惑星の観望を楽しむ方のために作られた天体望遠鏡という印象を受けました。 天体観望用アイピースを製造しているメーカーだけあって、 星空観望時に便利な2インチ天頂ミラーや接眼部の減速微動装置を標準で装備している点は、 観望ファンに喜ばれるでしょう。 口径10センチという大きさも、星空観望を気軽に楽しむのに適した大きさと言えます。 これ以上口径が大きくなると、より大きな架台が必要になり、取扱いも難しくなります。 一方、8センチクラスでは、天体を観望するには、少々物足りないと感じる時もあります。 ED102WHは、フードを縮めるとコンパクトになるので、フィールドに持ち出しやすく、 天体観測を始めたばかりの方でも扱いやすい大きさだと思います。 ED102WHは、光学性能や細部の造りという点では、国産の高級機には敵いませんが、 コストパフォーマンスの点で秀でた望遠鏡です。 双眼装置や広角アイピースを使って天体観望を楽しみたいユーザーにとって、 Explore Scientific ED102WHは一つの選択肢になるのではないでしょうか。

レビュー著者 吉田隆行氏のサイトはこちら→天体写真の世界

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